西日本新聞 2011. 6.24

上に掲載されている各駅乗降客の想定と実績比較表には、物足りない点が残されている。 新鳥栖を始め4駅には地元自治体の想定数が示されているが、これはははたしてJR九州の想定とどのような違いになっているのか知りたくなったとしよう。
JRの想定については実績との比較(増減%)しか記されていず、想定数については比較数字から算出してみるほか知りようがない。
これは、例えば下表のようにJRの想定数欄を1列設けると、JR・地元自治体の“温度差”もくっきりと分かろうというものである。








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不振の“北”地区駅のうち、JRの想定との差が比較的少ない久留米で比べてみよう。
文中にもあるとおり、運賃の割高感は際立っている。新幹線の博多−久留米間は所要時間16分で\2,230である。対する西鉄大牟田線はそれぞれ、27分・600円。
仮に二つの交通機関があって、ある区間を移動するのに、所要時間に反比例する運賃であればよしとしよう。つまり、一方が1時間を要し運賃が1000円、他方の所要時間が半分の30分であれば運賃は倍の2000円というのを同等と見做すわけである。
ここで所要時間の比は、西鉄の27分に対し新幹線は12分で16/27≒1/1.7。したがって、新幹線は西鉄の1.69倍の運賃・600*1.7≒1020円であれば同等と考えられる。
それが実際には2230円、約2倍になっているわけで割高感は否めない。
もちろん運賃には、車両の格差をはじめ様々な要素が含まれることは理解できても、それらに重きをおかずに短時間の移動のみに意をおくものにとって果たしてメリットがあるとは思えない。
新幹線は飛行機と較べると、逆の立場で割高となっている訳でもあるが。

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新駅の中で最も苦戦しているのは“想定どおり”「筑後船小屋」である。しかもここは下にあるとおり在来線併設駅である。
この写真はほぼ開通1年半前の風景であるが、果たして現在の駅前はどうなっているのであろうか。
 週刊文春 2010. 9. 9(この写真の答、つまり開業後の様子が同誌に掲載されたか否かは不知)

その答えが下、新幹線開通後4ヵ月の写真。
 週刊新潮 2011. 7.21(“誌”は換わって文春に答となるべき写真が掲載された)クリック ⇒ 拡大して読む

 上図の拡大↓
 西日本新聞 2011. 8.17 (1面)

4月の実績は↓


九州新幹線 800系 新水俣〜出水(鹿児島県)

(13面)
 西日本新聞 2011. 8.22

“不沈艦”と思っていた「天神」がまさに傾きを見せ始めている。
それにひきかえ、繁盛を見せる博多シティに取り残されるように近郊沿線・新幹線駅の惨状はどうだろう。
筑後船小屋のように1日650人というと、ラッシュ時も含め稼動12時間をなべて1時間当たり55人、1時間に何本の列車が停まっているか知らないが仮に上下あわせて4本とすれば、1列車平均14人が乗降するに過ぎない。
これだけの列車が走って、たった14人。
 西日本新聞 2011. 8.23
 西日本新聞 2011. 8.24


− 荒牧 千e Aramaki Kazuhide −
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