「東京五輪開催は人々を殺す」 感染症世界的権威が断言
 
東スポWeb 2021/05/12 16:44



©東スポWeb 五輪開催への逆風は強まるばかりだ

新型コロナ禍が深刻化する中、感染症の世界的権威が「東京五輪は人々を殺す」と断言した。

世界中で東京五輪の開催中止への機運が高まる中、ニュージーランド大手紙「ヘラルド」が「トップ疫学者は、東京五輪を進めると人々を死に至らしめると国際オリンピック委員会(IOC)に警告した」と報じた。

オタゴ大学のマイケル・ベイカー教授は、世界各国で変異株が猛威を振るい感染が極めて深刻化している状況を憂慮。「何万人が入国すると間違いが起き、日本の人々や医療従事者も開
催を全く望んでいない。過去にも戦争で中止しているが、現在もウイルスとの戦争だ」と主張する。

また「アスリートやスポーツチームがワクチンを優先的に接種すると、特に貧しい国を中心にぜい弱な高齢者を守るためのワクチンが準備できず、死亡する可能性がある」と重症化リスクの高い一般国民をないがしろにして“アスリートファースト”のワクチン接種に反対を表明している。

そのうえで、ベイカー教授は強く警鐘を鳴らした。「五輪の開催は人々を殺す。IOCはその代償を許容できるとのことで決定したと思うが、それは明らかに間違った決定だ」と糾弾。「日本の人々は新型コロナ感染の第4波と戦っている。それは東京で非常に激しく、彼らはほとんどコントロールできていない」と他ならぬ開催地の日本国民が最も大きな被害を受けると断罪した。

“殺人五輪”は本当に強行されてしまうのだろうか。


この稿、次の稿と開催の不安度を増すにつれ、タイトルバックの五輪マークは闇に覆われてきた。




新型コロナ 対策不足の五輪開催に海外から批判
 
 谷口恭・太融寺町谷口医院院長 毎日新聞社 2021年5月10日



ライトアップされる五輪マーク。後方の国立競技場は夜の闇に落ちたままだ=東京都新宿区で2021年1月18日、梅村直承撮影

“疑似緊急措置”による感染者増加抑制に失敗し、感染者は50万人を超え、死亡者は1万人に迫る勢い。アジアで最悪……。

これは英紙「The Guardian」に、4月26日に掲載された記事「日本の遅い新型コロナワクチン接種がオリンピックに暗雲を投げかける(Japan’s slow Covid vaccine rollout casts cloud over Olympics)の中に出てくる文章です。

「アジアで最悪」 つい半年ほど前までは、新型コロナウイルスの感染者、死亡者ともに少ない国、つまり「成功した国」として取り上げられることもあった我が国は、今や「アジアで最悪」と英国の大手紙から指摘されるようになってしまいました。 そして、そのアジアで最悪の国でオリンピックが開催されようとしているのですから「今の日本は理解できない」というのが英国の世論なのでしょう。

はっきりとした表現は避けているものの、この論文には随所に日本を皮肉った箇所があります。例えば、冒頭の“疑似緊急処置”(原文は「Quasi-emergency measures」)は、日本語に訳せば「疑似」となるような「Quasi」という表現を用いることで、結果が伴っていないことを暗に批判しています。

「遅いワクチン接種の展開(原文は「sluggish vaccine rollout」)」という箇所は、「遅い」を表すのに「delayed」や「slow」ではなく、「sluggish」という「のろい」と「怠惰な」の両方の意味を持つ単語を用いています。「なんとも英国人らしい表現……」と感じるのはおそらく私だけではないでしょう。

日本を非難しているのは英国だけではありません。感染者、死亡者が増え続けワクチンが普及していないような国に大切な選手やその関係者を渡航させて大丈夫なのか、という不安は多くの国にあります。

頼みは消毒液とマスク、そして笑顔?

ざっと世界の主要メディアを見渡したところ、具体的な証言を取り入れて日本の現状を最も痛烈に批判しているのが米国のテレビ局「CNN」です。4月15日に公開された日本語の記事「東京五輪まで100日切る、1%に満たないワクチン接種率に懸念」から興味深い箇所を、要約するなどして取り上げてみましょう。

・参加予定のボランティアが「(ワクチンなしで)どうやって感染予防をするのか」と大会の運営側に尋ねたところ、「小さな消毒液1本と2枚のマスクを支給する」との答えだった。

・運営側はボランティアのワクチン接種についてだけでなく、検査にも言及していない。

・東京オリンピック・パラリンピック組織委員会はCNNへの声明で、安全で安心な大会の開催に向けて準備を進めており、ワクチン接種が広がらない状況でもそれは変わらないと述べた。

・「オリンピック出場選手にはワクチンを優先して接種すべきだ」との指摘があるが、日本政府はこの考え方に賛成していない。 ※編集部注

ワクチン対応の“ノロさ”を喩えて、「ナメクジ」と、普通日本で遅いことの喩えの典型「カメ」より更に遅い蛞蝓とは言いえて妙としか。




「五輪中止を」32時間で10万筆 盛り上がる世論 病院も抗議
 
毎日新聞 2021/5/6 20:36


「医療は限界 五輪やめて!」「もうカンベン オリンピックむり!」と窓に掲示した立川相互病院=東京都立川市緑町で2021年5月6日油井雅和撮影

新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、東京オリンピックの中止を求める声が盛り上がりつつある。政府や大会組織委員会が開催に向けた準備を進めていることをアピールするほど、それに反比例するように逆風が強まる状況だ。

「これだけ多くの数字は予想しなかったので勇気づけられる」。元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏は5日正午にインターネットのサイト上で「五輪中止」の署名を募る運動を始め、6日午後8時までの32時間で10万筆を超えた。今年2月に組織委の森喜朗前会長が女性蔑視発言をした際にも辞任などを求める署名運動が同じサイトで展開され、約1週間で14万筆超だった。宇都宮氏は今月半ばに一旦集まった分を東京都に提出する予定で、「もっと多くの人に協力してもらい、主催者側に『声』を届けたい」と意気込む。

署名サイトのコメント欄は、政府や組織委に対する批判の書き込みであふれている。選手村近くに住んでいる女性は、観戦チケットを購入するほど楽しみにしていたが開催反対に転じたといい、「我が家には生後数カ月の赤ん坊もいる。今は感染の恐怖しかない」と漏らした。別の女性は「高校3年の娘の友人は親の会社の業績悪化で、進学ではなく就職を選ばざるを得なくなった。コロナの収束より五輪優先はあり得ない」と非難した。学校で部活動や修学旅行などのイベントが制限されていることに触れ、「五輪だけは特別なのか。子どもたちに説明がつかない」という投稿も相次いだ。

東京五輪では多くの医師や看護師が派遣される見通しで、日々のコロナ対応で逼迫(ひっぱく)する医療現場への「しわ寄せ」が懸念されている。

   「医療は限界 五輪やめて!」「もうカンベン オリンピックむり!」

東京都立川市の「立川相互病院」は、2、3階の窓にこんな張り紙を掲げ、開催に抗議する意思を示した。「最寄りの病院の叫び」として3日、ツイッターに投稿されて話題となり、6日現在で6万件以上リツイートされ、20万件以上の「いいね」がついている。高橋雅哉院長は取材に「開催で感染拡大が懸念される中、更に突然の看護師や医師の派遣要請などを知り、病院としてメッセージを表明する必要を感じた」と文書で回答した。

東京都武蔵野市の衣料品メーカー「P&M」の菊竹進代表(49)も「世の中の雰囲気はがらっと変わった」と感じている。

東京五輪への逆風に乗るように、同社が製作する「五輪中止Tシャツ」が売れているからだ。五輪のシンボルマークを模した輪に「中止だ 中止」という文字を重ねたデザインは人気漫画の一場面をモチーフにしており、発売したのは新型コロナが広がる前の2019年1月だった。

売り上げは昨年までは月に10枚にも届かなかったが、2回目の緊急事態宣言が出た今年1月以降に通販の注文が殺到。4月までの4カ月間で約300枚が売れたという。
アニメ「AKIRA」の一場面をモチーフとした「五輪中止Tシャツ」=P&M提供

さすがに、TOKYO の“T”が消されているのが残念だが、面白いので購入した。表で着用する季節になっても、世間どんな人間が徘徊しているか見当付けられないので実際の着用は止めるのが穏当かと、室内の暖簾代わりとなるのかも。

実物が届いて確認すると、今回明らかに〝ヤッツケ〟仕事で刷り足したらしき痕跡を残した“T”文字が。




二階氏「五輪中止も」発言、海外メディアも速報 強まる懸念示唆
 
毎日新聞 2021/4/15 16:02


衆院本会議に臨む自民党の二階俊博幹事長=国会内で
2021年4月15日午後1時7分、竹内幹撮影
 
自民党の二階俊博幹事長が15日、新型コロナウイルスの感染状況次第で東京オリンピック・パラリンピック(オリパラ)の開催 中止が選択肢になるとの考えを示したことについて、海外の主要メディアも日本での報道を引用する形で相次いで速報した。新型コロナの世界的流行が収まらない中、日本でも患者数の増加が続いていることに触れつつ、先行きに対する懸念が 強まっていることを示唆するトーンが目立っている。
【和田浩明/デジタル報道センター】

ロイター通信は「オリンピック中止は選択肢だと日本の与党幹部が発言」などと報道。二階氏による「これ以上とても無理だということだったら、これはもうスパッとやめなきゃいけない」との発言を、共同通信を引用して報じた。二階氏については「直接的な物言いで知られ、多くの与党議員が激論を招きかねない中止の可能性への言及を避ける中でコメントした」と伝えた。  

日本の新型コロナ感染状況に関しては、緊急事態宣言を解除した後に東京都で新たな陽性者数が増え、大阪府では過去最高になっていることを説明。「政府は五輪を実施する構えだが、世論調査によると開催への支持は弱く、ツイッターでも中止を
 
求める声が多数出ている」と書いた。

フランスのAFP通信や米ブルームバーグ通信なども、二階氏の発言を報道している。AFPは「日本国内で新型コロナの感染者急増に対する懸念が高まる最中のことだ」と伝え、大阪では聖火リレーが公道で中止になったことにも触れた。  

米ワシントンポスト電子版は東京発の記事を掲載した。日本について「(感染拡大の)第4波を抑え込もうと苦闘している」と指摘し、特に大阪と東京で伝染性の高い変異種の感染が広がっていることも伝えた。その上で、日本医師会の中川俊男会長が14日の記者会見で、再び緊急事態を宣言する必要性を訴えたことや「大阪は医療崩壊が始まっている」と述べたことにも言及した。  

二階氏の発言に関する報道は、中国やロシア、ドイツ、オーストラリア、南アジア、中東など世界各地のメディアが行っており、東京五輪・パラリンピックが予定通り開催されるのか、国際的な関心の高さが浮き彫りになった形だ。


 

東京五輪開会までのスケジュールは左のとおりである。

これによると、4月15日現在、21日のIOC理事会を経て喫緊の問題は、4月中の判断となっている〝国内観客数の上限判断〟ということになる。

国内コロナ禍の現状を見るにつけ、大阪を筆頭に東京も増加の傾向がまさに一二週間遅れで追随しそうな雲行きであるなかでの判断は真に悲観的といわざるを得ない。

二階の「中止ありき」発言は、舛添要一のツィートどおり〝万一東京五輪が開けなかった場合、五輪と政局との分離を図りたいがための布石〟が現実味を帯びてくる。
 





英紙が東京五輪中止を主張「開催を正当化できるか自問する必要がある」
 
4月13日(火)18時15分 スポーツニッポン


ヒッソリと佇む不安げなメインスタジアム

英紙ガーディアン(電子版)が12日付の社説で東京五輪の中止を訴えた。「五輪開催を進める必要があるのか」と見出しを打ち、「新型コロナウイルスが再び勢いを増し、ホスト国の日本でも開催に大多数の人が反対している中、五輪の開幕が近づいている。通常ならチケット販売の遅れやスタジアムの未完成が懸念事項になるが、(パンデミックで)今回の不安はそれを遥かに超えている」と指摘した。  

「日本のワクチン接種プログラムはほとんど軌道に乗っていない。また、国際的にも見通しは暗い。ブラジルでは一日で4000人が亡くなり、インドは先週の水曜日に一日の新規感染者が12万5000人に達した。海外の観光客は入国を認められないが、何万人ものアスリートや大会関係者、メディアが日本の首都に押し寄せる」とし、五輪開催は非常にリスクが高いと伝えた。  

さらに「五輪を中止することは、アスリートにとって一生に一度の五輪出場や勝利のチャンスが失われることになる。彼らにとって壊滅的な打撃だ。世界中のファンも失望するだろう」としながらも、「失われる可能性のある命がある」と主張。「五輪中止は失望と経済的損失につながる。だが、日本とIOC(国際オリンピック委員会)は五輪開催を正当化できるかどうか自問する必要がある。五輪はパンデミックを悪化させる可能性があり、そのリスクを検討する必要がある」と訴えた。

〝○○株〟で最初に「時の言葉」として有名になった英国も、自国の惨状を見るにつけ、この期に及んでの〝スポーツの祭典〟開催の愚に居たたまれなくなっての発信だろう。




東京五輪は「最悪のタイミング」
 
 一大感染イベントと米紙2021/4/13 共同通信社
 https://this.kiji.is/754509541481299968?c=110564226228225532

【ニューヨーク共同】12日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、日本で新型コロナウイルス感染が収まらずワクチン接種も滞る中で東京五輪を開催するのは「最悪のタイミング」であり、日本と世界にとって「一大感染イベント」になる可能性があると伝えた。  

運動面で「このままの五輪でいいのか」と題した評論記事は、人権問題絡みでボイコットの動きがある北京冬季五輪を含め「五輪の在り方を再考すべき時が来ている」と主張。東京五輪は当初予算を大きくオーバーし、国民の多くは大会の延期か中止を求めていると指摘した。

アメリカは既に北京を睨んでいる、日本を共に〝不参加〟に巻き込みたい。その為にも東京五輪は成功して欲しくない、むしろ内心中止を望んでいる書きっぷりだ。





聖火リレー拒否 五輪本体も問題
 
朝日新聞デジタル 2021/04/01

朝日新聞社 島根県の丸山達也知事=松江市

東京五輪の聖火リレーをめぐり、中止を検討する考えを表明していた島根県の丸山達也知事は1日、大阪府の吉村洋文知事が「大阪市内では中止すべきだ」と発言したことについて、「まん延防止等重点措置で様々な要請を追加する地域では、自然な考え方だと思う」と報道陣の取材に答えた。

丸山知事は、島根県の聖火リレーを中止するかどうか、最終判断の時期を今月半ばまでとしているが、「私は現在の状況では五輪本体の開催を問題だとしている。大阪はやれるものならやりたいと考えていて、同じ仲間が増えたとは思っていない。冷静に受け止めている」と述べた。(清水優志)

4月1日現在、感染者数は増加に転じて一週間近くの状況下でさえノホノンと聖火リレーを続けているアホさ加減に呆れかえる。五輪本体にも言及する島根県が真っ当なのだ。

後日記:政府よりの施譲金の多寡にも悪影響を懸念したのか、知事に上文の勢いは薄れた。



聖火リレーは「偽善」米メディア
 
「聖火リレーの火を消すべきだ」…五輪放映権持つ米NBC寄稿「偽善・危険性・ばかばかしさ浮き彫り」
3月27日(土)6時50分 読売新聞
https://news.biglobe.ne.jp/topics/sports/0327/22798.html


【ピオリア(米アリゾナ州)=佐野司】東京五輪の米国向け放映権を持つ米NBCニュース(電子版)は25日、五輪聖火リレーを取り上げて「聖火リレーの火を消すべきだ」と批判する寄稿を掲載した。

元プロサッカー選手で米パシフィック大教授のジュールズ・ボイコフ氏の寄稿で、「新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的な大流行)の中、公衆衛生を犠牲にする危険がある」と指摘。福島県からのスタートについても「この儀式の偽善、危険性、ばかばかしさを 浮き彫りにするだけでなく、五輪を推し進める日本の問題点を象徴している」と記している。


毎日新聞 2021. 3.27 にも同様記事が

スポンサー元からも呆れられている日本・東京。誰のために、何のためにやっているのか?
動いている輩はつまるところ自分のためだけでしかない。次項・私見に記したとおり、“偽り”、“贈収賄”の賜物であるお祭の片棒を担いでいるわけだ。

聖火リレー、ボランティア辞退者の“少なさ”に呆れ、見物に出向く人間の“多さ”に驚くばかりである。
呪われているからこそ、「消えることは無い」と言われた聖火でさえ既にランタン、トーチともに消え、点し直しを強いられている。
しかも、“復興”とこじつけられ先の住民からも下のとおり「NO」を突きつけられる有様でなにが“復興五輪”か。ミットモナイかぎりだ。





「ドタキャンもある」東京五輪
 
「百歩譲っても無観客」 都医師会、オリパラ担当理事が語る理由
毎日新聞 2021. 3.19
https://mainichi.jp/articles/20210319/k00/00m/040/061000c?cx_fm=mailcp&cx_ml=article&cx_mdate=20210324




東京都医師会の新井悟理事=東京都千代田区の東京都医師会で2021年1月15日午後4時37分、大島祥平撮影
「百歩譲っても無観客でなければ医療、救護体制に大きな影響がある」。新型コロナウイルスで延期された東京オリンピック・パラリンピックについて東京都医師会の新井悟・担当理事が毎日新聞の取材に応じ、医療現場への負担に懸念を示した。

変異株の増加や感染者の再増加な どが予想されることから「大きな波が五輪に重なる可能性はある。(大会開催の)ドタキャンもあり得るシナリオ」と話し、中止の可能性もあると考えているという。


当初計画では、都医師会は大会組織委員会に依頼された競技会場に医師らを派遣するほか、会場までの道のりに熱中症対策などのため医療 従事者をのべ5000人規模で配置して救護所を運営するなど、多方面で協力する予定となっている。

国や国際オリンピック委員会(IOC)などが調整している海外客受け入れ断念については「妥当だ。水際対策をしても全て防ぎきれるものではないし、観客全員を入国後2週間隔離するのは現実的ではない」と評価する。だが、選手や関係者だけでも数万人規模での来日が見込まれる。さらに五輪のチケット約364万枚が国内向けに販売済みだが、その制限をどうするかは決まっておらず、「海外客が来なくても開催のハードルは非常に高い」と訴える。  

問題はまず、新型コロナ対応で逼迫(ひっぱく)する状況下で協力する医療従事者をどう確保するかだ。  

組織委は大学病院などと交渉して協力の承諾を得ていたが、新井理事は「観客や関係者向けの救護で競技会場へ派遣される医師は大きな病院の救急科医が多い。そういうところの医師は新型コロナ対応を最前線で担っている人たちでもある」と言う。  

また、東京都から依頼を受けた会場外の救護所は、地区医師会を通じて内科一般や外科一般など、救急対応できる医療従事者に協力を求める予定。そのような人材の多くは新型コロナのワクチン接種にも関わっており、大会と時期も重なることになる。「地域差はあるが、ワクチン接種に対応する医療従事者は全国で6割程度しか集められていないのが現状。そこからさらに人を割いて『五輪をやるから沿道の救護をやって』と言えるのだろうか」。今後、聞き取り調査をする予定だが、すでに「現状では協力は難しい」という声も届いているという。  

「医療面から考えて安心して開催するためには千歩、百歩譲って無観客だろう。観客を入れるというと、医療体制、救護体制をどう作っていくか見当がつかない」。無観客になれば、少なくとも会場までの道のりに観客用の救護所を設置する必要はなくなる。  

医療体制を準備するのは観客向けだけではない。「五輪にどのくらいの要人が来日するか分からないが、一昨年、天皇陛下の即位の礼の際も各国の王族や首脳ら要人向けの医療に都医師会として協力した。病院の特別室を空けたり、何かあればホテルへ往診したりするなど、2、3日間のことだったが大変だった」という。  

それらの経験もあることから「競技会場では選手以外のコーチや関係者、要人らは観客対応用の医療従事者が診ることになる。さらにコロナ対応もプラスアルファされることを考えれば、当初計画に沿ったスタッフ数を準備しなければ必要十分とは言えない。そう考えるとやはりハードルは非常に高い」とみている。  

1都3県に出されていた緊急事態宣言は21日までで解除されるが、感染者はすでに再び増加傾向にある。「これから春休みになる。緊急事態宣言の解除前からすでに人の流れが増えているが、変異株もあり5、6月にはまた感染者がかなり増えてくるだろう。第3波と同じくらい、あるいはそれ以上のピークが大会に重なった時に『さあ五輪やりますよ』となるだろうか。ドタキャンもあり得るシナリオだと思う」  

終息を願いつつ、現実を見据えて中止の可能性も指摘する新井理事。多くの人が動く大会後に感染者が増加する可能性もあるが、そこまで見据えて病床の確保などに備えているのだろうか?  

「決して感染拡大を引き起こしてはいけないという議論まではしているが、現時点では五輪後に感染がさらに広がったことを想定しての病床確保までは考えていない。現状でも入院できなかった都内のコロナ患者もいる。第3波もぎりぎりの状態だったが、第4波がそれを超えた場合にどうしようというのは考えている」。先の見えない状況に表情を曇らせた。【大島祥平】

今回の東京五輪、誘致段階から出鱈目だったことを考えると、「中止」こそ真っ当な「正解」だろう。
時系列で言えば、“ウソで固めた立候補ファイル”、 “贈賄疑惑のJOC会長・竹田(当時)”、“復興すりかえ”、“ジェンダー音痴・森VS卑怯者・小池の争い”と、これでもかというほどの“恥”を世界に晒してきた、東京五輪前奏である。

コロナが無くとも、そもそもやってはいけない五輪だったのではないか。



呪われた東京五輪 - 2
 
J-CASTニュース > テレビウォッチ ・ 元木昌彦の深読み週刊誌
https://www.j-cast.com/tv/2021/03/18407462.html

「呪われた東京五輪」 4人目の開会式演出者・佐々木宏がお粗末な"蔑視"ギャグで辞任 前任者MIKIKOをクーデターで追い出していた!
2021年03月18日17時25分

東京オリンピックの開会式は、渡辺直美をブタに見立てて、宇宙人家族が飼っているブタが空から降り立つという案はどうか。「オリンピッグ」。なんちゃってね(これは私の言葉)。

三流のお笑い芸人でもやらないお粗末な"蔑視"ギャグを、開会式の演出を担うメンバーにLINEしたのは、広告業界で"天皇"といわれている元電通出身の佐々木宏という人間だというから呆れる。

彼の仕事は、缶コーヒーBOSSの「宇宙人ジョーンズ」やソフトバンクの「白戸家」だそうだ。

私は、作家の山口瞳がサントリーの前身寿屋の宣伝部にいた時に考えた「トリスを飲んでHawaiiへ行こう」というのが最高のキャッチコピーだと思っている。今の人には分からないだろうが、外国旅行など夢のまた夢だった時代、トリスという安ウイスキーを飲んだらハワイ旅行が 当たるというのである。日本人がハワイに憧れるようになったのは、あのコピーのなせる業であった。

それに比べると彼のは、CMが終わるとすぐに忘れられる程度のものだと、私は思う。

少し前に森喜朗の女性蔑視発言があったばかりだが、時系列でいうと昨年の3月5日だから、こちらのほうが先である。

もはや「呪われた東京五輪」というしかないが、最初、東京五輪の開会式の演出を任されたのは映画監督の山崎貴だった。山崎の提案が非現実的だとして、次に能楽師の野村萬斎を据えたが、「茶室が空を飛ぶ」という突拍子もないものばかりで降板。

3人目は、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の恋ダンンスを手掛けた演出振付師のMIKIKO。彼女は不眠不休で企画案をつくり2か月で完成させ、IOCから絶賛されたという。

だが、彼女のチームの一人、電通社員の菅野薫が、デイリー新潮に「部下にパワハラをしている」と報じられ、懲戒処分になってしまった。サポート役を失ったMIKIKOの前に現れたのが、森喜朗をバックにした佐々木だった。

MIKIKOが「ストーリー作りができる人材を紹介してほしい」と相談すると、ここぞとばかりに「自分がやる」といい出したというのである。そうして広告界の"天皇"が心血を注いでつくり上げ たのが、冒頭の案だったのだ。

MIKIKOは「女性目線かもしれませんが、理解できません」とLINEに投稿。男性メンバーからも「眩暈がするほどヤバい」と批判が出て、周囲に 佐々木は「冗談だった」と弁解したようだ。だが、そこから佐々木のクーデターが始まったという。

完成形に近づいていて、約500人の大所帯になっていたMIKIKOの案を無視して 佐々木は、「一人で式典をイチから決めたい」といい出したというのである。

だが、IOCからMIKIKO案のほうがいいといわれ続けたため、あろうことか彼女の案を了解も取らずに 勝手に切り張りして企画をつくろうとしたそうだ。

500人にも及ぶチームは放置されたままで、次の仕事を入れられない。MIKIKOは辞任を考えるが、それではチームの人間たちに 申し訳が立たないと悩み、体調を崩してしまった。

自分も右下肢機能を全廃した障害者パフォーマンスイベントの第一人者、栗栖良依に対しても、プレゼン直前に同席させる だけで、栗栖は「道具みたいに扱われ、責任ある仕事をさせてもらえない」と嘆いていたという。

ついにMIKIKOは辞任を決意する。組織委の武藤敏郎事務総長に出した辞任届には、佐々木から 企画案をもらったが、「その内容は、ライブ演出の実務からしても非合理的かつ非現実的で、(中略)到底納得できるものではありませんでした」と痛烈な批判の言葉が書かれていた。

そこにまた、女性蔑視の元締めである森喜朗が、彼女にこういったという。「あなたが女性だったから、佐々木さんは相談できなかったのでは」。さらに事を荒立てるなとくぎを刺したそうだ。

当然だが、式典の責任者がころころ変わることで、当初の予算から数十億円も膨らんでしまっている。その責任の一端が佐々木にあることは間違いない。

佐々木は今日(3月18日)、辞意を表明したが、私にいわせれば「逃亡」したというべきである。佐々木は『創』(4月号)の広告クリエイタ―特集の中で、オリパラに関わって いるが、オリンピック憲章が素晴らしいと語っている。

この男、憲章の中に「オリンピック・ムーブメントの目的は、いかなる差別をも伴うことなく」とあるのを知らないようだ。万が一五輪が開催されても、差別と排除の精神ばかりが目立つことに なるだろう。



- 荒牧 千琇 Aramaki Kazuhide -
http://www.toakes.co.jp/ http://www.toakes.co.jp/q/ http://www.qucc.org/ http://www.i-froufrou.com/
WWW を検索   トークス設計事務所を検索
java script