「相沢がいても勝てたかどうか」はオコガマシイ
 
 毎日新聞 2021. 1. 3


相沢、昨年東洋大から旭化成入りし、1万m日本記録保持者になったばかりの新人であるが、上の記事によるとエース区間の4区ではなく3区の予定だったとあるから、あくまでエースは鎧坂だったのであろう。

その鎧坂に、「1万以上は無理(4区:22.4km)」と、しれっと口にされたんじゃ何をか言わんやだ。4区は箱根とほぼ同じ距離、当初の走者配置からして逆が順当だったのではないか?
相沢欠場による“士気”の影響はともかく、1位との差1分40秒差は相沢が出走していても詰められない差だろう。

MGC出場資格者ゼロの旭化成の現状は、まさに駅伝偏重の弊害最たるものであるにも拘らず、そのホームで敗戦とは、昨年スポーツの場にノーベル賞・吉野彰氏を引っ張り出してまでコレ宣伝に努めた社としては、残念な新年となった。



快哉!箱根駅伝 2021
 
先ず、“快哉”のワケは本命青学・原(と云うより原の青学)の敗退である。

21年箱根については例年どおり様々な予想がなされていたが、一般的には、青山・東海・駒沢・明治、穴として創価(ごく稀ではあったが)の四強ではなかったか。下に三様の予想を並べてみた。

瀬古案  本命=青山、対抗=明治







「箱根駅伝」優勝予想…それでも「駒沢大」が前回覇者「青山学院大」に勝てる理由とは?
1/1(金) 17:00配信 デイリー新潮

大本命は不在。今年度の箱根駅伝を予想するのは例年以上に難しい。前回覇者の青山学院大、2大会前に初優勝した東海大、前哨戦の全日本大学駅伝を6年ぶりに制した駒沢大までが3強と言われるが、全日本で3位と健闘した明治大を加えて4強と見る向きもある。
ダークホースとして、地力のある早稲田大、東洋大がチャンスをつかむ可能性も否定できない。

大混戦の様相を呈すなか、総合力で青山学院大の優位を認める監督は多い。12月10日に発表された16人のエントリーメンバーには、前回の優勝を経験した5人の名前がある。3強の一角を占める駒沢大の大八木弘明監督も「箱根では青学は強い。選手層が厚いですから」と警戒を強めていた。

ただ、客観的に見れば、最も勢いがあるのは駒沢大だろう。指揮官は箱根の目標を聞かれても「最低3位以内」と謙虚な姿勢を崩そうとしないが、総合優勝を視野には入れている。 流れに乗ったときの強さは伊勢路(全日本大学駅伝)でも証明済みだ。日本人学生ナンバーワンの強さを誇る2年生エースの田澤廉まで粘ってタスキをつなぎ、優勝テープを切っている。アンカー勝負に持ち込んで、宿敵の青山学院大、東海大を抜き去る展開は狙い通りだった。

箱根でも大駒の区間配置には心を砕く。「エースだからと言って必ずしも2区ではない」。大砲を生かすも殺すも、前後の区間を走る選手たち。準エースの働きぶりには期待を寄せる。 「キーマンは小林歩(4年)、鈴木芽吹(1年)」 カギを握る2人は補欠へ。第97回大会は当日変更できる人数が計4人から6人に拡大されており、12月29日に発表されたメンバーからガラリと変わる可能性もある。当初、2区候補だった小林が3区に配置される可能性は十分に考えられる。勝利のシナリオは、すでに指揮官の頭にある。

「往路優勝すれば、そのままの流れで総合優勝したい」 一抹の不安を抱えていた復路の選手層も厚くなっている。伊勢路に出走しなかった8人以外が、11月以降のトラックレースで好タイムを出しているのは好材料。特に1年生の成長は目覚ましい。10000メートルで白鳥哲汰が28分14秒86、青柿響が28分20秒42をマークし、チーム上位の記録を出した。故障の影響で全日本を回避した主将の神戸駿介(4年)も復路区間の準備に余念がない。チームの上げ潮ムードもひしひしと感じている。

「このメンバーなら優勝できると思っています」。10000メートルの上位10人の平均タイムは、出場チームの中でも最速の28分26秒81。 強いて駒沢大の不確定要素を挙げれば、特殊な山区間。前回大会で5区を走った伊東颯汰は区間13位に沈んでいる。4年生最後も山上りを志願していたが、8区でのエントリー。候補は複数人いる。山の準備をしてきたという3年生の佃康平、そして監督が信頼を寄せるルーキーも上り坂の練習をしてきた一人。当日、鈴木が5区に名前を連ねても不思議はない。山下りの6区を含めて、ポイントとなってくる。

「山はなんとか乗り切りたい。区間4位、5位くらいで持ちこたえてほしい」(大八木監督) 駒沢大がヤマ場となる山を越えたとき、13年ぶり7度目の総合優勝をさらっていく可能性は一気に高まるはずだ。

杉園昌之(すぎぞの・まさゆき) サッカー専門誌の編集記者、通信社の運動記者を経て、フリーのスポーツライターに。陸上競技(主に長距離)、サッカー、ボクシングを中心に活動している。 週刊新潮WEB取材班編集 2021年1月1日 掲載


4強の戦いと見られているが……大混戦の2021箱根駅伝のダークホースに創価大が浮上!
1/1(金) 7:05配信 NEWSポストセブン

沿道での応援自粛など、2021年の箱根駅伝は異例の大会となる。応援に背中を押されて120%の力を出すスターが生まれるのも醍醐味だが、今回はそういう要素も減り、まさに実力勝負のレースが予想される。 前回10区で区間新を出した嶋津が今季の創価大の主力となる。

『週刊ポスト』(2020年12月21日発売号)では、実力者が揃った今回の箱根の見どころを詳しく解説しているが、そこで優勝候補に挙がったのは、連覇を狙う青山学院大、前々回覇者の東海大、全日本大学駅伝(11月)で激戦を制して6年ぶりの優勝を果たした駒澤大、さらに全日本で青学大をかわして3位に食い込んだ明治大といったところだ。

順当なら3強もしくは4強の争いといえるが、ここに割って入るダークホースはないのか。不気味な存在として注目されるのが2年連続4回目の出場となる創価大だ。 「今シーズンは新型コロナの影響で、出場予定だった大学3大駅伝のひとつである出雲駅伝が中止になりました。創価大は、続く全日本では書類選考で出場できなかった。そのため、今のメンバーでは箱根に1発勝負で臨むことになります」(スポーツライターの酒井政人氏)

創価大は、2020年の前回大会では3度目の出場で初のシード権を獲得した(9位)。1区の米満怜が区間賞の快走を見せ、4区の福田悠一(区間4位)や10区を区間新記録で走った嶋津雄大の活躍で躍進を果たした。エースだった米満とムソニ・ムイルが抜けた穴は小さくないが、上記の福田、嶋津を含めて前回大会のメンバーが7人残り、さらにはケニア人留学生のフィリップ・ムルワが加わった新チームも魅力たっぷりだ。

12月29日の区間エントリーでは福田が1区、ムルワが2区という布陣が明らかになった。嶋津は補欠に回ったが、当日変更で起用されるとみられている。 「ムルワ君は10月の多摩川5大学対校長距離競技会の10000メートルで優勝している。箱根の予選会でも全体の上位4位までを留学生が独占したように、彼らの力は本番でも大きな戦力になります。ムルワ君の入った創価大は不気味な存在になるでしょう」(酒井氏)

5大学競技会には、箱根で優勝候補に挙げられた駒澤大や明治大も参加している。残る2校の國學院大と帝京大は前回の箱根3位と4位の強豪だ。もちろん今回の箱根にも出場する。レベルの高い大会の花形競技で、2年生ながら2位以下を14秒以上引き離して勝ったムルワがまだポテンシャルを隠しているとすれば、驚愕の記録を作る可能性もある。 そこに日本人エースと期待される福田、夏には出遅れたものの秋以降調子を上げてきた嶋津、さらに前回メンバーの石津佳晃、葛西潤、今季好調の三上雄太らが加わり、前回以上の成績を予測する専門家も少なくない。

石津は復路エース区間の9区にエントリーされ、葛西と三上は当日変更で起用される可能性がある。いずれにしても今回の箱根は混戦と見られており、10人のランナーが大きなミスなくつないだチームが上位に浮上するだろう。

榎木和貴・監督は前回大会の直後、次の目標を「3位以内」と明言している。それは、前回は一部の区間でミスがあったと考えているからで、チーム全体の底上げができている今回は台風の目になることを狙っている。

創価大が優勝争いに加われば歴史に残る番狂わせと言えるが、混戦となれば、それ以外のチームにも上位争いの可能性が出てくる。スポーツ紙デスクはダークホースについてこう見ている。 「中心となる選手に若い新戦力も加わった早稲田大はおもしろい存在。ただし、コロナの影響で寮が閉鎖され、夏合宿も中止になったことで練習量が課題でしょう。

その他では、新・山の神候補の宮下隼人君が予想通り5区に起用された東洋大、予選会上位の順天堂大、中央大あたりも上位に食い込んでくる可能性がありますね」 沿道の声援こそ減る見込みだが、旅行自粛で史上最高の視聴率か予測されている今回の箱根は、歴史に残るデッドヒートになるかもしれない。


上掲三種の予想について見れば、瀬古=大外れ(青山にも増して明治の体たらく)、新潮・ポストセブンが的中、特に後者は勇気ある出稿であったと思われるが、まさに“紙一重”で他社・誌を出し抜き損ね残念至極であったろと察せられる。

レース終了後、無観客(といっても当然、重点的規制区域以外の沿道には相当数の観客がいたが)で実施され、TVが視聴率を稼いだ放映に関して小林信也(小林信也:作家・スポーツライター)の稿をかいつまんで紹介してみる。

箱根駅伝のテレビ中継をつまらなくした「スポンサー配慮」の実態として、
1.厚底シューズを視聴者に見えないようにしたテレビ

私見としてはまったく同感できない。ちゃんと見れば充分視聴できた。

2.多くの白バイがBMWの理由(日本製には電動スクーターが少ない・弱いなどの紹介がない)
駅伝においては先導白バイの紹介はつきものだが、メーカー名は勿論、乗り手の名前・経歴等の紹介さえ煩わしく観ている身としてはどうでも良いことで、もっとレースそのものに集中したい。

3.自由な言論を封じ込める、メディア主催系のイベント(関東学連の催しであり、全国化・女子版追加等議論の封じ込め)
全国化、女子箱根駅伝はともに“箱根燃え尽き症候群”の助長を促すのみ。箱根駅伝は関東のお祭であり、将来伸び代のあるアスリートとこのお祭だけを学生時代の土産としたい社会人の卵が混在して走る場でよい。

4.本当に「奇跡の大逆転」だったか?(23.1kmを残し、3分19秒差であればまだ逆転の可能性につき実況・解説者が発しないのはなぜか)
スポーツライターが言う言葉とはとても思えない。最終区での逆転については歴代記録がWEB上になく、「戦後最大差の逆転」とはあるから“世紀の・・・”ではなくとも“3/4半世紀の逆転劇”ではあるだろう。
駅伝にブレーキはつきものとはいえ、だからこそそれを含めた解説をなす必要が何処にある。解説者・渡辺康幸現役が高校生を追うならともかく、チェプテゲイが相沢を追っても普通に走れば届かない距離だろう。「奇跡の大逆転」は間違いではない。
このようなことにまで「・・・ケチをつけるものではない」と、二階でなくとも言いたくなる。


レースそのものから外れるが、大迫・為末から発せられた記事を見たので下に転記した。

大迫傑「箱根の利益はいずこに」為末大氏からも疑問の声/駅伝
箱根駅伝 2020.1.3 16:52

昨年10月のシカゴ・マラソン男子で2時間5分50秒の日本記録をマークした大迫傑(28)=ナイキ=が3日、ツイッターを更新。
青学大が新記録の10時間45分23秒で2年ぶり5度目の総合優勝を果たした「第96回東京箱根間往復大学駅伝」をめぐり、「箱根の利益はいずこに」と疑問を呈した。  

この日行われた箱根駅伝の復路は、往路1位の青学大が芦ノ湖から一度も首位を譲らず、2位以下に大差をつける圧勝。往路2区から復路7区まで、6区間連続の新記録が生まれた超高速レースを制した。青学大の王座奪還をはじめ、今年も多くの感動を生んだ一方で、陸上関係者からは問題提起の声もあがった。  

陸上男子400メートル障害の世界選手権銅メダリストで五輪に3度出場した為末大氏(41)はこの日、ツイッターで「まずは箱根駅伝の財務内容を明らかにしませんか」と投げかけ、「大学スポーツにしては高額な放映権の配分や、意思決定がどのように行われているかを陸上界の人間ですらわからないことが問題視されています」と指摘。  

さらに「みんな情報が開示されていないことが気にならないのだろうか。私はすごく気になる。例えば、関東の大学陸上部は箱根駅伝に強制で補助員に駆り出されるが、少なくとも私の時代は学生に支払われるバイト代はなかった。当時はボランティアではなく強制だった。長距離種目以外がなぜどういう理由で強制で駆り出されるのかがわからなかったので、質問したが当時は回答がなかった」と自らの経験を明かした上で、「大学も学生も多大な犠牲を払っているが、名誉以外にリターンはあるのか。
一方で、正月二日であれだけ注目を集めるコンテンツが生み出した利益はどこにいくのか」と疑問を呈した。  

大迫も、為末の投稿を引用した上で「何となく箱根駅伝をツイッターで追っていて、すごいなと思い興奮した一方でふと冷静になるとやっぱりこういう疑問が僕の頭の中では出てくる。僕が学生の当時も箱根によって何かリターンを得たという感覚は一切無かった。箱根の利益はいずこに」とツイート。

そして「そうした疑問を解決、また今後の選手が最大限のリターンを受けれる様に変えていくためにも、選手主体の大会を作ることは重要。外からコンテンツに乗っかっているだけでは使われ続けるだけ」とし、「来年3月の大会に関しては着々と端無が進んでいます。間もなく、情報を追って共有出来ると思います!」(原文ママ)と、賞金大会の新設が順調であることを伝えた。  

大迫は昨年10月、2020年東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)で選手に賞金が出なかったことに首をひねり、21年3月をめどに「日本で世界との差を縮めるための大会を作ります」と表明していた。


プロとなり且つ実力の伴ったアスリートだけが発っせる(“ら”抜き)言葉だろう。



− 荒牧 千e Aramaki Kazuhide −
http://www.toakes.co.jp/ http://www.toakes.co.jp/q/ http://www.qucc.org/ http://www.i-froufrou.com/
WWW を検索   トークス設計事務所を検索
java script