サンケイスポーツ 2023.1.23


新谷仁美「五輪が正義じゃない」 パリは目指さず4種目で日本記録を追及
 

 15日に行われたヒューストン・マラソンを日本歴代2位の2時間19分24秒で制した新谷仁美(34)=積水化学=が23日、東京都内で記者会見した。2024年パリ五輪について「今のところは私の気持ちの中にはない」と、マラソンだけでなく日本記録を持つ1万メートルなどのトラック種目でも目指さないことを改めて表明した。



新谷仁美は9月のベルリンマラソンで日本記録更新を目指すと改めて表明 = 東京・虎ノ門 ⓒサンケイスポーツ


 新谷はレース後、パリ五輪について「私のスケジュールには入っていません」とし、自身のツイッターで明かした今後の日程でも五輪選考会は入っていなかった。


 「五輪に出ること、日本代表になることがすべてじゃない。アスリートに求められるのはまず結果を出すこと。そこ(結果を出す場所)はパリ五輪じゃない」。新型コロナウイルス禍の中で行われた東京五輪を経験し、「アスリートって応援してくれる人がいるから成立する仕事。東京五輪の時、国民に寄り添えたのかと、すごく感じた」とし、「(以前は)五輪が正義だと思われていたと思うが、五輪が正義ではない(と気づいた)。私に五輪を目指す気はない、ほかで結果を目指す」と独自の表現で説明した。


 「結果を残す、タイトルを取るというのは、私を支えてくれる人たちへの感謝の気持ち」と、競技へのモチベーションを表した新谷。目指す結果として、現在日本記録を持つ1万メートルとハーフマラソンに続き、マラソンと5000メートルでの日本記録を掲げた。マラソンについては今回のヒューストンで、野口みずきの日本記録(2時間19分12秒)にわずか12秒及ばなかった。「悔しい気持ちがあった」が、「今回は(昨年3月の東京マラソン後と違って)何が足りないか明確に分かったから、次にベルリンに行こうと思えた」と言い切った。


 その課題は「最後5キロのアップダウンがタフなコースで脚が足りなくなった。坂の練習の回数が足りなかったのが大きかった」と自己分析。課題を克服すれば「12秒どころか1分縮められる」とは横田真人コーチだ。


 今後は春から夏にかけて5000メートルの日本記録を目指しつつ5~10キロのロードレースをこなし、9月のベルリンマラソンで日本記録に再挑戦するとした。


 ここでの発言からも 新谷一人だけでなく、アスリート全員がオリンピック(特に東京の)に対して一定の拒否反応を持ち、疑問を感じている(いた)ことが読み取れる。
 東京五輪でも、「アレだけ反対していたけど、いざ始まってみるとTVで楽しんだ」などのコメントを見聞きするが、1万、マラソンなど五輪以下のレースでさえ欠かさなかった私同様、今回は見向きもしなかったというファンも多かったのではないかと思うが。




スポニチアネックス 2023.1.23


女子マラソン新谷仁美 パリ五輪を目指さないことを改めて明言
「とても言いにくいが…」
 


  15日のヒューストン・マラソンを日本歴代2位の2時間19分24秒で制した新谷仁美(34=積水化学)が23日、都内で会見した。女子の1万メートルとハーフマラソンの日本記録保持者は「パリは今の時点では私の気持ちの中にはありません」とトラック競技も含めて24年パリ五輪を目指さない方針を改めて示した。




笑顔でガッツポーズする新谷(撮影・尾崎 有希)ⓒスポーツニッポン新聞社


 その理由を「パリ五輪を目指すことが仕事ではないと思う。アスリートには結果を出すことを求められている。結果を出すのはパリ五輪ではなくてもいい」と説明。「とても言いにくい言葉ではあるが、今までは五輪が正義と思われていたが、東京五輪を経験して“五輪がどれだけ国民の方に求められているのか”というのを感じたのが大きかった。コロナの影響はあったと思うんですけど、東京五輪でメンタルをやられた。出ないことが正義ではない。ただ私は五輪を目指すことはありせん」と続けた。


 今後の目標はマラソンと5000メートルで日本記録樹立。夏まではトラックの5000メートルや5000、1万メートルのロードレースを中心に出場し、9月のベルリン・マラソンに挑む。「四つの日本本記録を持つことを目標にずっとやってきた。あとは5000メートルとマラソン。来年も同じようなコンディションか分からないので、今年はチャンスだと思って臨みたい。結果を残すというのは、私を支えてくれる人たちへの感謝の気持ちの一つ」と視線を上げた。


 新谷はヒューストン・マラソンが5度目のマラソン出場で、昨年3月の東京でマークした2時間21分17秒の自己ベストを大幅更新。19分台は日本女子では18年ぶり4人目で、01年の高橋尚子、04年の渋井陽子の記録を上回り、05年のベルリン・マラソンで野口みずきが樹立した2時間19分12秒の日本記録へ12秒に迫る力走だった。




毎日新聞 2023.1.24




日刊ゲンダイDIGITAL 2023.1.24


パリ五輪にソッポの新谷仁美が狙うマラソン日本記録の疑問…女子に
「2つの記録」存在のナゼ
 




新谷が狙う日本記録とは…共同通信社ⓒ 日刊ゲンダイDIGITAL


 15日のヒューストン・マラソンを日本歴代2位の2時間19分24秒で優勝した新谷仁美(34)が23日、都内で会見。来年のパリ五輪を目指さない方針を改めて明言した。1万メートルとハーフマラソンの日本記録保持者の新谷は今後、マラソンと5000メートルでも日本記録を狙う。


 ヒューストンで12秒及ばなかったマラソンの日本記録は「9月のベルリンでもう一度挑戦する」と宣言したが、女子マラソンには2つの記録が存在することは意外と知られていない。


 日本記録なら野口みずきが2005年のベルリンで出した2時間19分12秒。もう一つは、一山麻緒が20年の名古屋でマークした2時間20分29秒だ。新谷が狙うのは野口の「男女混合」の記録で、こちらは男子のペースメーカー(PM)が許されている。一山の日本記録にもPMはいたものの、女子のみだったので「女子単独」の記録という扱いだ。


 29日号砲の大阪国際女子マラソンにも、大会記録が2つある。20年までは海外の女子ランナーたちがPMを務めていたが、コロナ禍の影響で外国人PMを起用できなかった21年、22年は男子の川内優輝らがPMとして選手を先導。大会名は女子マラソンでも「男女混合」レース扱いになったためだ。今年は再びケニア選手ら女子4人がPMにつく。


 世界陸連が女子マラソンに「男女混合」と「女子単独」の2つの記録を設定したのは16年からだが、PMは風よけにもなるし、国内の主要大会では報酬をもらったランナーが選手に記録を出させるため設定ペースを刻む。性別はどっちでも、選手はPMの力を借りるわけだし、それが真の記録と言えるのか。ちなみに9月のベルリンで日本記録を狙う新谷のPMにはヒューストンと同じく、所属チームの男性コーチがつく。




 おかしなことは二つある。一つは、男女混合レースであり、もう一つは、ペースメーカーをつけること。このような馬鹿げたことをやっているとそのうち男女混合は、1万メーター、5千メーターはては100メーター競技にまで いきつくことになりかねず、ペースメーカーはキプチョゲが多数のそれを従えてサーキット(モンツァ)を走った例(すでに2時間を切っている)が一般レースでも起りかねないと思えるほど各レースを席巻していて嘆かわしいかぎりだ。



- 荒牧 千琇 Aramaki Kazuhide -
http://www.toakes.co.jp/ http://www.toakes.co.jp/q/ http://www.qucc.org/ http://www.i-froufrou.com/
WWW を検索   トークス設計事務所を検索
java script