スキーW杯ジャンプ女子2012
第11戦・蔵王 2012. 3. 3
西日本新聞 2012. 3. 4





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2011-2012W杯結果
2012-2013W杯結果
ジャンプW杯:15歳の高梨、最年少で初優勝 第11戦
毎日新聞 3月3日(土)15時28分配信
表彰式を終え、元女子ジャンプ選手の山田いずみさんに抱きかかえられる高梨沙羅=山形市の蔵王ジャンプ台で2012年3月3日、小出洋平撮影

ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子蔵王大会は3日、山形市蔵王ジャンプ台(HS100メートル、K点90メートル)で個人第10、11戦が行われ、午後の第11戦で高梨沙羅(北海道・上川中3年)が初優勝を果たした。今季から始まった女子W杯で日本人が勝つのは初めてで、15歳4カ月での優勝は男女を通じて史上最年少となる。
W杯で初優勝を果たし、記念撮影で笑顔を見せる高梨沙羅(中央)。左は2位のサラ・ヘンドリクソン(3日、山形・蔵王ジャンプ台で)=栗原怜里撮影

W杯初優勝し、表彰式で観客に向かって笑顔で手を振る高梨沙羅=山形市の蔵王ジャンプ台で2012年3月3日、小出洋平撮影

高梨は1月の第1回冬季ユース五輪で金メダルを獲得。ジャンプ女子が正式種目となる14年ソチ冬季五輪では有力なメダル候補となっている。【立松敏幸】
インタビューに答える高梨沙羅 2位のサラ・ヘンドリクソン(ヤンチャな妹を見る目)

スキージャンプ・ワールドカップ(W杯)女子蔵王大会第10、11戦(3日・山形蔵王=HS100メートル、K点90メートル)−−第11戦で、15歳のエース、高梨沙羅(北海道・上川中)がついに頂点に立った。
1回目にジャンプ台記録に並ぶ102メートル50を飛んで1位となると、2回目の競技がキャンセルとなったため、そのまま勝利が決まり、男女を通じての最年少優勝。
2位になったサラ・ヘンドリクソン(米)は、2戦を残して今季の総合優勝を決めた。
先に行われた第10戦ではヘンドリクソンが7勝目を挙げ、高梨は2位。 18歳の岩渕香里(長野・飯山高)と17歳の伊藤有希(北海道・下川商高)が、ともに自己最高の7、8位に入った。

第12戦・蔵王 2012. 3. 4
西日本新聞 2012. 3. 5 記事を拡大する

<ジャンプW杯>ヘンドリクソン女王の貫禄
毎日新聞 3月4日(日)18時40分配信
ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子蔵王大会個人第12戦、17歳のサラ・ヘンドリクソン(米国)が女王の貫禄を示した。1回目。先に飛んだ高梨が99.5メートルをマークし、プレッシャーになったが、「自分のジャンプをしようと思った」と冷静に98メートルに降りた。2回目も高い飛び出しときれいな空中姿勢を維持して94.5メートル。飛型点で高梨を圧倒し、この3連戦で2勝目を挙げた。今季は「試合に出るたびに精神的に強くなった」と実戦をこなしながら自信を深め、初代総合優勝者の栄誉をつかんだ。9日の最終戦でも勝利し、有終の美を飾るつもりだ。
ジャンプ女子のワールドカップ(W杯)蔵王大会最終日、サラ・ヘンドリクソンの2本目のジャンプを見守る高梨沙羅=4日、山形市の蔵王ジャンプ台(時事通信)

2本目のジャンプで着地する高梨沙羅=山形市の蔵王ジャンプ台
2012年3月4日、小出洋平撮影

<ジャンプW杯>高梨、衝撃の失速
毎日新聞 3月4日(日)18時55分配信  
ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子蔵王大会個人第12戦、珍しい光景だった。高梨の2回目。飛距離が伸びず「中盤にいきなり失速した」と振り返ったジャンプは、この3連戦で初めてK点に届かなかった。踏み切りのタイミングがやや遅れ、空中で風をとらえきれなかった。安定感が増した今季は失敗がほとんどなかっただけに「何が起きたか分からなかった」と衝撃を隠せなかった。だが、本当の「敗因」は1回目にある。最長不倒の99.5メートルを飛びながら、着地の際に両手を水平に伸ばし、足を前後にずらすテレマーク姿勢がとれなかったため、98メートルのヘンドリクソンに飛型点で6.5点もの大差をつけられた。この差を埋めようと2回目に100メートル超えを狙い、力みからタイミングがずれて失速につながった。高梨は男子顔負けの大飛躍が武器だが、飛びすぎるがゆえに降りることに精いっぱいで、テレマーク姿勢をとれないことが課題となっている。遠征の疲れで両すねに痛みを抱えていることも、着地を難しくしている。ライバルのヘンドリクソンは、98年長野五輪金メダリスト、船木和喜(フィット)の全盛期のように、遠くへ飛ぶだけでなく美しい飛型と着地を兼ね備えている。高梨が勝つには安定した着地を身につけることが不可欠。高梨は「男子やサラ(ヘンドリクソン)は、とんでもない距離を飛んでもテレマークが入っている。見習いたい」と話す。W杯初優勝で「自信になった」と同時に、「技術を上げないと。出直したい」と向上心に再び火がついた。【立松敏幸】
スキーW杯ジャンプ女子2013
第1戦 2012年11月24日(土)ノルウェー リレハンメル HS100
優勝 高梨 沙羅 (日本)
2位 サラ・ヘンドリクソン (アメリカ)
3位 アネッタ・サーゲン (ノルウェー)
第2戦 2012年12月8日(土) ロシア ソチ HS105
優勝 サラ・ヘンドリクソン (アメリカ)
2位 高梨 沙羅 (日本)
3位 アネッテ・サーゲン (ノルウェー)
第3戦 2012年12月9日(日) ロシア ソチ HS105

沙羅、総合1位キープ! 有希、トップ10入り!

優勝 ダニエラ・イラシュコ (オーストリア)
2位 コリン・マテル (フランス)
3位 高梨 沙羅 (日本)
第4戦 2012年12月14日(金) オーストリア ラムソー HS98

沙羅、今期2勝目! サラは7位に沈む!

優勝 高梨 沙羅 (日本)
2位 コリン・マテル (フランス)
3位 ダニエラ・イラシュコ (オーストリア)
第5戦 2013年1月5日(土) ドイツ ショーナッハ HS106

沙羅圧勝で今季3勝目!

優勝 高梨 沙羅 (日本)
2位 エベリン・インサム (イタリア)
3位 ダニエラ・イラシュコ (オーストリア)
3位 ジャクリーン・ザイフリーズバーガー (オーストリア)

西日本新聞 2013. 1. 6
それにしてもハデハデなイタリア・エベリン.インサムと、いかにもモンゴロイドな日本・高梨沙羅

第6戦 2013年1月6日(日) ドイツ ショーナッハ HS105

沙羅、今季初めて表彰台を逃す

優勝 アネッテ・サーゲン (ノルウェー)
2位 ダニエラ・イラシュコ (オーストリア)
3位 コリン・マテル (フランス)
4位 高梨 沙羅 (日本)

第7戦 2013年1月12日(土) ドイツ ヒンターツァルテン HS108

沙羅、復調の兆しも優勝逃す

優勝 サラ・ヘンドリクソン (アメリカ)
2位 FO高梨 沙羅 (日本)
3位 コリン・マテル (フランス)
サラは怪我からの復調中で体重も落しているとか。沙羅よりだいぶ高い上背にも拘らず板の長さが違わないのはその所為か。
体調が完全に戻り、板も長くなるとまた向こうのサラのほうが強くなるかも。
西日本新聞 2013. 1.15
心の中は推し量れないが、沙羅を見るサラの表情はいつも可愛い妹を皆に自慢している顔に見えてしかたがない。 

第8戦 2013年1月13日(日) ドイツ ヒンターツァルテン HS108

沙羅、今季の定位置に戻る

優勝 高梨 沙羅 (日本)
2位 サラ・ヘンドリクソン (アメリカ)
3位 ジャクリーン・ザイフリーズバーガー (オーストリア)
西日本新聞 2013. 1.14
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(番外戦)世界ジュニア選手権 2013年 1月24日(木)チェコ リベレツ HS100
西日本新聞 2013. 1.25

※※※

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ニュース >スポーツ >記事   沙羅V2 ソチへ弾み/スキー
2013年1月25日(金)09:56   (左)エベリン・インサム、(右)カーチャ・ポズン
<ノルディックスキー世界ジュニア選手権:ジャンプ女子個人>◇24日◇
チェコ・リベレツ(HS100メートル、K点90メートル)
W杯で今季4勝を挙げ総合首位を走る高梨沙羅(16=グレースマウンテン・インターナショナル)が、女子では大会史上初の連覇を果たした。
1回目にこの回最長の98・5メートルでトップに立つと、2回目はヒルサイズ(HS)を超える最長不倒の102メートル。合計268・0点で貫禄を示した。
世界選手権(2月20日開幕、イタリア)の前哨戦を制し、来年2月のソチ五輪での金メダル獲得に弾みをつけた。26日には、やはり連覇を狙う団体戦に臨む。
守るのは性に合わない。直前に飛んだイタリアのインサムが、この日初めてHS100メートルに乗せた。高梨の2回目。重圧をはね返すように小雪が舞う中、さらに上を行く102メートルまで伸ばした。
トップ10選手の中で飛型点は7番目に低い52点で、テレマーク姿勢を入れてもジャッジの点数は16・5〜19点とばらけた。課題は残すが、それを補って余りある飛距離が高梨の強み。
「周りの選手がどんどんレベルを上げている中で自分の力を発揮できてうれしい」と笑みをこぼした。
世界の勢力図は10代後半が優位に立つ。この日もW杯総合トップ10のうち5人が出場。総合2位のサラ・ヘンドリクソン(18=米国)は6位、同3位のコリン・マテル(17=フランス)も6位と失速した。
どんな形状の台でも対応できる高梨の強さが世界選手権、その先に続く五輪の“前哨戦”で際だった。
昨年のユース五輪、世界ジュニア、そして山形・蔵王でのW杯。V候補の期待と重圧がかかる中、世界の頂点に立ち結果を残してきた。今季はW杯総合トップを快走し、この日も快勝。
「勝てばうれしさが倍増する」と話していた2日後の団体戦でも喜びに浸る。
第9戦 2013年2月2日(土) 札幌/宮の森 (日本) ノーマルヒル HS100 / K90

沙羅不調で表彰台圏外

優勝 コリン・マテル (フランス)
2位 ジャクリーン・ザイフリーズバーガー (オーストリア)
3位 アネッテ・サーゲン (ノルウェー)
12位 高梨 沙羅

左から、ジャクリーン・ザイフリーズバーガー、コリン・マテル、アネッテ・サーゲン
両“さら”共にいない表彰台は珍しい。


第10戦 2013年2月3日(日) 札幌/宮の森 (日本) ノーマルヒル HS100 / K90

ワールドカップジャンプ女子札幌大会では、これまで安定した成績を残してきた高梨沙羅選手(グレース・マウンテン・インターナショナルスクール)だったが、札幌・宮の森大会では12位、5位と、これまでの安定した成績を残していただけに残念な結果に終わった。(全日本スキー連盟WEBページ)

上の文章はとても耳障りだ。「これまで(の)安定した成績を残してき(い)た」という語句がそのまま短区間に連続して使用されていて、とくに「の」の使い方は流れ上妥当でない。

優勝 ジャクリーン・ザイフリーズバーガー (オーストリア)
2位 アネッテ・サーゲン (ノルウェー)
3位 サラ・ヘンドリクソン (アメリカ)
5位 高梨 沙羅

左から、アネッテ・サーゲン、ジャクリーン・ザイフリーズバ−ガー、サラ・ヘンドリクソン
−ひとりの“さら”は戻ったが−
本ページ、ここまでで今季W杯上位入賞者ほぼすべての画像をUPし尽くしたと思う。
失礼を承知で敢えて分類すると、サラ、エベリンVS沙羅、アネッテ、ジャクリーン、コリンの図式が。
なお、(コリン・)マテルに関していえば、「プロ野球のセパ両リーグなどと言う際、日本語本来からすれば『パ』は促音をつけて『ッパ』つまり『セッパ・・・』と言うべき」という説に照らすと、 マッテルのほうが馴染む気がするが。ついでに、ザイフリーズバーガーも在来の慣習では「・・・ベルガー」だろう。
※TVで現地のアナウンスを聞くきかいがあったが、やはり「マッテル」にちかく聞こえた。

デジタル朝日 【笠井正基】5位タイの結果が悔しいわけではない。「自分のジャンプができなかったのですごく残念」。追い求める理想の形で飛べず、高梨の視線が泳いだ。
春のように暖かかった前日から一変、雪が吹きつけ、強風が舞う。2回ともに追い風に揚力をそがれ、もうひと伸びできない。ともにK点(90メートル)手前の86メートルに沈んだ。
ジャンプがうまくいかなくても、いつも自分の言葉で理由を説明してくれる。だが、この日はしばし言葉を探したが、思い浮かばなかった。
「自分の中でも何がおかしいかが分かっていない。ビデオで見返したい」。迷いは深そうだ。
地元北海道で初めてW杯に挑んだ硬さなのか。海外の試合では安定して表彰台に立ってきたが、飛び慣れている宮の森では2戦続けて好成績を残せなかった。 渡瀬弥太郎チーフコーチは「地元の重圧はあったと思う。ジャンプは全く問題ない」と見る。次戦は9日から、昨春にW杯初優勝を飾った山形・蔵王である。「自分のジャンプを取り戻せるよう頑張りたい」と意気込むが、修正する時間は多くない。初の総合優勝へ、一つのヤマ場となるのかも知れない。
http://digital.asahi.com/articles/TKY201302030128.html?ref=reca

第11戦 2013年2月10日(日) 山形/蔵王 (日本) ノーマルヒル HS 100 / K90

沙羅復調で圧勝!

優勝 高梨 沙羅 (日本)
2位 ジャクリーン・ザイフリーズバーガー (オーストリア)
3位 カリナ・フォクト(ドイツ)
第12戦 2013年2月10日(日)  山形/蔵王 (日本) ノーマルヒル HS 100 / K90

沙羅連勝で今季6勝目

優勝 高梨 沙羅 (日本)
2位 ジャクリーン・ザイフリーズバーガー (オーストリア)
3位 サラ・ヘンドリクソン (アメリカ)
西日本新聞 2013. 2.11
女子ジャンプの高梨沙羅選手(16)が、ワールドカップ蔵王大会で連勝した。
ソチオリンピック期待の16歳が、完全復活のビッグジャンプを見せた。
9日の強風で、延期となったワールドカップ第11戦。凱旋(がいせん)した地元・札幌で表彰台を逃し、復活を誓う高梨選手は、最初のジャンプで、その不安を吹き払った。
低い姿勢から力強く踏み切ると、K点を軽々と越え、95.5メートルの最長不倒をマーク。ワールドカップで初めて優勝した相性のいいジャンプ台で、復調の兆しをつかんだ高梨選手は、2回目も90メートルを超えるジャンプで圧勝。
今シーズン5勝目を挙げた期待の16歳に、ようやく笑顔が戻った。高梨選手は「わたしは、この(蔵王の)ジャンプ台が好きなので、この台ではきっと直せると思って、ここに入ってきました」と話した。
さらに、その1時間後、ワールドカップ第12戦が行われた。自信を取り戻した高梨選手が、今度は、観客の度肝を抜く、驚異のジャンプを見せた。ぐんぐんと飛距離を伸ばし、102メートルの超ビッグジャンプで、文句なしの優勝。
小さな体で、ふわりと浮き、あまりの飛距離に、着地するのが精いっぱい。
日本で連勝した若きエースが、個人総合のタイトルをぐっと引き寄せた。
高梨選手は「完璧とはいかないですけど、ある程度、満足のいく度合いだったかなと思います。こんなにたくさんの人が応援しに来てくれた中で、2連勝できたことが、すごく自分でも幸せに思います」と話した。
この日の2戦で計4回飛び、すべての回で最長不倒をマークするという完全Vを達成した。
今季12戦6勝とし、ジャンプでは男女を通じ初のW杯個人総合優勝に大きく前進した。W杯6勝は、女子ではフリースタイル・モーグルの上村愛子(北野建設)の5勝を上回り最多、ジャンプ男子の葛西紀明(土屋ホーム)とノルディック複合の荻原健司に並ぶ日本人のシーズン最多勝。 【FNNニュース】

第13戦 2013年2月16日(土)  スロベニア リュブノ HS95

沙羅連勝で今季7勝目、総合チャンピオン目前

優勝 高梨 沙羅 (日本)
2位 サラ・ヘンドリクソン (アメリカ)
3位 コリン・マテル (フランス)
西日本新聞 2013. 2.17
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2011-2012W杯結果
2012-2013W杯結果



第14戦 2013年2月17日(日)  スロベニア リュブノ HS95

沙羅またまた連勝でついに総合チャンピオン

優勝 高梨 沙羅 (日本)
2位 コリン・マテル (フランス)
3位 サラ・ヘンドリクソン (アメリカ)
西日本新聞 2013. 2.18
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西日本新聞 2013. 2.18(夕)
ジャンプ選手というより日本の女子アスリートとして、今や敵なしの勢いで世界を突っ走る高梨沙羅選手(グレート・マウンテン・インターナショナルスクール)。
その強さについては、ジャンプ関係者の誰もが認めるところ。
152cmの小さな体を逆に武器に、アプローチでの低い姿勢で風の抵抗を最小限に抑え、その勢いで一気にカンテを飛び出す。
そして空中では無駄な動きをせず、風をとらえて飛距離を伸ばす。
時には飛距離が出すぎて、課題のテレマーク姿勢をとれないこともあるが、その圧倒的な距離の差はライバルにとって強烈なプレッシャーを与える。
ワールドカップ総合優勝を決めた17日の大会では、1本目、2本目ともただ一人ゲートを下げても、スピードは3位に入ったサラ・ヘンドリクソンと比較してもほとんど同じ。
飛距離も1本目2位に2m、2本目4mという大差をつけており、これには各国の選手、コーチもお手上げ状態だった。
高梨選手の強さの秘密はこれだけではない。それは対応能力の高さにある。
札幌大会では強風の影響で、2戦とも満足な結果を残すことができなかった。「何かが狂っている」と蔵王へ移動するまでの2~3日のトレーニングで調整、ご存じのように蔵王ではあっさり連勝してしまった。
また、新しいジャンプ台でもきっちり結果を残しており、数本の公式トレーニングで克服してしまう。
非凡な才能とたゆまぬ努力で高梨選手の快進撃はさらに加速しそうだ。
(財団法人 全日本スキー連盟ページ)

スキージャンプ女子の高梨沙羅選手が17日、スロベニアで行われたワールドカップ個人の第14戦で優勝して今シーズン8勝目を挙げ、ワールドカップ総合優勝を果たした。ジャンプのワールドカップで日本選手が総合優勝したのは、男女を通じて高梨選手が初めてで、高梨選手は16歳4か月でワールドカップ史上最年少での優勝となった。
高梨選手は今シーズン、ここまで13戦で7勝を挙げてワールドカップの総合トップを走り、17日、スロベニアで第14戦に挑んだ。
高梨選手は1回目、89メートル50を飛んでトップに立つと、2回目は92メートルを飛んで優勝し、今シーズン8勝目を挙げた。
高梨選手は、ワールドカップの総合得点を1137点に伸ばし、2位につける昨シーズンのチャンピオン、アメリカのサラ・ヘンドリクソン選手に290点の大差をつけて、2試合を残して総合優勝を決めた。
ジャンプのワールドカップで日本選手が総合優勝するのは、男女を通じて高梨選手が初めてで、高梨選手は16歳4か月でワールドカップ史上最年少での優勝となった。スキーの種目別でのワールドカップ総合優勝は、ノルディック複合の荻原健司選手や、フリースタイルモーグル女子の上村愛子選手など、日本選手で7人目となる。高梨選手は、ワールドカップの総合優勝が決まったことを試合のあとのインタビューで初めて知って驚いた様子を見せ、「もう決まったんですか。総合優勝できるかどうかはあまり考えていなかったのでびっくりしました。1回目のジャンプは課題だった着地の姿勢がしっかり決まってよかったです」と振り返った。そのうえで、総合優勝できた理由について、「地道にトレーニングしてきた成果もありますが、日本チームの支えが大きいです。家族より長い時間一緒にいて、生活面や精神面でとても助けられました」と話した。さらに、このあとイタリアで開かれる世界選手権に向けては、「きょうできたことをしっかりイタリアに持っていけたらいいなと思います。結果にとらわれず、自分のジャンプをして楽しく飛びたいです」と抱負を話していた。
高梨選手 総合優勝への軌跡
高梨選手は、北海道上川町出身の16歳。 去年、上川町の中学校を卒業したあと、現在は北海道旭川市にあるインターナショナルスクールに在籍している。ジャンプ女子のワールドカップが始まった昨シーズン、高梨選手は優勝1回、2位が6回で合わせて7回表彰台に上がり、総合成績は3位。総合優勝は、2歳年上のライバル、アメリカのサラ・ヘンドリクソン選手。
今シーズンに入ると、高梨選手は11月の個人の開幕戦で、ヘンドリクソン選手を抑えて優勝。このあと、来年オリンピックが行われるロシアのソチでの2試合は2位と3位に終わったが、第4戦と第5戦を連勝、第8戦でも優勝して、地元・日本で行われる4連戦を迎えた。ところが、札幌市での2試合は12位と5位で、今シーズン初めて2試合連続で表彰台を逃した。しかし、続いて山形市の蔵王で今月10日に2試合行われた大会は、圧倒的な強さで2連勝して札幌大会の雪辱を果たし、前日の第13戦も制して総合優勝に向けて大きく前進していた。    
高梨選手の強みは 高梨選手が遠くに飛べる理由は、いくつかある。
まずは、「スムーズな踏み切り」。時速90キロにもなる助走のスピードを最大限に生かし、タイミングよく、力強い踏み切りができることが最大の理由。また、修正能力の高さも理由の1つ。
ジャンプのスーツはシーズン前、より密着したものにルールが変わり、浮力を得にくくなった。スーツの変更で、高梨選手はシーズン前、空中でのバランスを崩し、苦しんだという。しかし、改善点をジャンプする前の助走に見いだし、助走の姿勢を安定させる努力を重ねたことで、空中でのバランスを取り戻し、第1戦でいきなり優勝を果たした。
また、今シーズン初めて2試合連続で表彰台を逃した札幌大会のあとは、助走でのひざの微妙な開きを1週間で修正し、その後の蔵王大会の2連勝に結び付けた。遠くに飛べる理由について、高梨選手は、「もっと遠くに飛びたい、遠くに飛んだらどうなるんだろうという気持ちではないかと思います。
こう飛べばこうなるといったように大体イメージができるんです」と話していて、「好奇心」の強さと「想像力」の豊かさを挙げている。
(NHKページ)

(番外戦)ノルディックスキー世界選手権 2013年 2月22日(木)イタリア バルディフィエメ HS106


サラ・ヘンドリクソンが最長不倒で金、高梨沙羅2.7点差で銀。

優勝 サラ・ヘンドリクソン (アメリカ)
2位 高梨 沙羅 (日本) (日本)
3位 ジャクリーン・ザイフリーズバーガー (オーストリア)

前に、沙羅W杯総合優勝、そして五輪金への期待に対する危惧として、サラの復調後(不完全な体調の中しぶとく2位を堅持し続ける実力をみて)の脅威を書いた が、まさしくこの世界選手権におけるヘンドリクソンの強さは、今季W杯チャンピオンの沙羅を完全に上回るものであった。

※右のとおり、両“さら”の板の長さはまだほぼ同じというかむしろ沙羅のほうがやや長そうである。サラが体重を戻してツール面で優位を得るとなればさらに脅威は増す。
第15戦 2013年3月15日(金)  ノルウェー トロンハイム HS105

優勝 サラ・ヘンドリクソン (アメリカ)
2位 高梨 沙羅 (日本)
3位 ジャクリーン・ザイフリーズバーガー(オーストリア)
第16戦 2013年3月17日(日)  ノルウェー オスロ HS134

優勝 サラ・ヘンドリクソン (アメリカ)
2位 高梨 沙羅 (日本)
3位 ジャクリーン・ザイフリーズバーガー(オーストリア)
2月22日の世界選手権以来プッツリと高梨が勝てなくなった。飛距離こそサラを上回るものの飛形点で逆転されている。しかも飛距離の差は確実に縮まり、アドバンテージを大きく稼ぐことができなくなっている。
いまや、両“さら”の力関係は昨年の両者の写し絵と言えるほど、サラは復調してきている(板の長さは戻っているのかどうかは確認していないし、元々この長さだったのかどうかさえ知らないが)。
来シーズンは昨シーズン同様、なかなかサラに勝てない沙羅が戻ることを予感させるシーズン終盤の3戦であった。
またこの3戦、1位から3位までの並び順も全戦まったく同じなのも興味深い。

− 荒牧 千e Aramaki Kazuhide −
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