美女は、7/7/2017 からお休みです。
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「ところでお客様」
国民金融公庫奈良支店次長の堀井武さん(43歳)が、東京にある同公庫総合研究所の調査課長だった昨夏、財布をなくした。
「新幹線でレジャーに出掛けた日曜日でした。暑くて背広を脱いだので、そのとき内ポケットから落ちたに違いないんです」
 帰宅して気がつき、大変だ、と頭の中が真っ白になった。
「現金はたいしたことはありませんでしたが、クレジットカードが二枚と銀行のキャッシュカードが二枚入っていました。これを悪用されたら大被害になります」
 急いでカード会社と銀行に連絡し、使用を止めてもらわなければならない。
 ところが、おそらくだれでもそうなのだが、自分がカードを紛失するなどという事態は予測しにくい、或いは予測したくないので、カード会社や銀行の連絡先が控えてない。
 「後から考えれば、NTTの番号案内で電話番号を一つずつ聞けばよかったのでしょうが、何しろそのときはパニック状態ですから」
 さあ、どうしよう、と焦るばかりで、うまく頭が回らない。
 そのうち、ふと気づいて、状差しに入れてある郵便物を調べてみた。
「運良く、クレジットカード会社二社のうちA社から数日前に、カード使用の明細書が送られてきていました。そこに電話番号があったんです」
 直ぐ電話した。休日用の電話番号を告げるテープの声が聞こえてきた。
***
  休日出勤しているA社の担当者は、若い女性だった。
「失くされたのは今日でございますね? お客様のご住所とお名前をどうぞ」 丁寧な口調で、てきぱきと応対する。
 ちょっと待たされたあと、「お客様のカードは使用停止にいたしました。ご安心ください」
 あっという間に片付いてしまって拍子抜けしそうだった。
「ところでお客様」
 用件を済ませた彼女がいう。
「カードはお財布にでも入れておられたのでしょうか?」
「そうです」
「それですと、ひょっとしてほかのクレジットカードやキャッシュカードも一緒に失くされたのではありませんか?」
「そのとおりです。B社のクレジット












カードと、キャッシュカードを二枚失くしました」
「どれも使用停止になさらないといけませんが、連絡先はおわかりでいらっしゃいますか?」
「いや、あなたの会社の電話番号だけはたまたまわかったんですが、ほかはどうやって調べようか、と思っていたところです」
「それでは、こちらでわかりますので銀行名をどうぞ」
B社と、二つの銀行の電話番号を、彼女はたちどころに教えてくれた。
 なんて機転のきく素晴らしい女性だろう、と堀井さんは思った。
 それとも、カードを失くした、と電話してくる客は、ほかのカードも一緒に失くしている可能性があるので こういう応対をするようマニュアルができているのかもしれない。
 どちらにしても大助かりだ。
 感謝しながら堀井さんは電話を切った。
***
  B社でも、カード使用停止の手続きはすぐ済んだ。
 A社と同じようにはきはきして、手際のいい若い女性だった。
 続いて二つの銀行にも連絡を終え、ほっとした気分の中で、しばらく堀井さんは考え込んだ。
  「もし最初にB社へ電話していたら、私は応対した女性を優秀だと思い、さすがB社だ、と感心したに違いありません」
 そのくらいB社の女性も、A社のひとに劣らず感じがよかった。
  「しかし、どうしても満点がつけられないんですよね。なぜなら彼女には、A社の女性の『ところでお客様』で始まる気配りが全くなく、手続きが済むとすぐ電話を切ったからです」
  B社へ先に電話したら、A社と二つの銀行の連絡先は教えてもらえず、堀井さんは自分で調べなければならなかった。
 「つまり、B社の女性は、クレジットカードという商品のケアに関しては満点でした。でも、それだけのことだったのです」
 そこへいくとA社の女性は、商品のケアについて同じように満点のうえ、「顧客のケア、という点でも満点でした。いっぺんに満点二つなのです。」
 そうなると顧客は、ライバル同士のA社とB社を比較して、断然A社のサービスの方が上だと考える。
  「ですから、サービスというのは怖いのです。『ところでお客様』のきめ細やかさがあるか、ないかで、企業イメージには決定的な差がつくのですよ」


(これと対極をなすのが、IT関連サービスであろう。)
昨今の IT サポート事情
  衰えを知らないノンバンクはいざ知らず、昨今の不況下、経費節減のあおりでパソコン関連ハード・ソフトのサポート満足度は下がるばかりである。 一般にユーザに許された質問の形式は、
(1) 電話、(2) FAX、(3) メールのうち何れかが指定されている(たまに、前記より複数項選べるところもある)。
  この3者を較べてみると、質問者側が何らかの資料を作成しなくてよい分(さらにフリーダイヤルで繋がり、電話代もいらない分) 電話の選択肢のあるところがベストのように思われる。
  ところが、ここには落とし穴がある。
  考えてみるとソフトの場合、質問先はインターネット接続に関するプロバイダ、 ホームページ作成ソフトの制作者等多岐にわたるが、 トラブルの状況はその画面を見せてアドヴァイスを仰ぐのがベスト(或いは、見せなければとても電話などで説明できるものではない)であることが多い。
  やはり、質問内容を同じ画像で見せられるメールでの質問を許可しているところが一番ありがたく、サービスとして当然のことであると思われるし、 しないのはもっぱら、より細かく質問内容の検討を強いられ、返信を書く手間を惜しんでいるからに他ならない。
  FAXは、ほぼ同じ効果を得られるが、カラー化の遅れ、低品位の画質という点でメールの添付ファイルには大きく水を空けられる。
  しかしこれとて電話のみよりは遙かに効果的であることは云うまでもない。
  メーカのHP上に「Q&A」とて質疑の数例を掲載し、質問者に前もってこれらを閲覧するよう勧め(或いは強制し、と書くのは、質問送付先の電話・FAX aAメルアド等をトップページには載せず、Q&Aページ末などに申し訳のごとく掲載されていたりするからである)、 直接の質問を避けようとするのがあからさまな姿勢は是非改めるべきである。
  それぞれの疑義は、制作者故にソフトを知り尽くしたメーカがその知識を前提に考え出した質問例に、ユーザ側が実際に遭遇するトラブルなど想定されているはずがない(それでも何度か見てみた経験から言っている)のである。
  メーカは、これだけのものをこれほどの値段で提供しているのだから少々の不都合(バグ等)が出るのは当たり前との態度を改め (極論すれば、現在のコンピュータ関連商品は、コストパフォーマンスが高過ぎるということもあろうが)、専門の「叱られ屋」を置くなどしてユーザの怒りの電話をいなすことに腐心する姑息な手段に走るべきでない。
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− 荒牧 千e Aramaki Kazuhide −
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