その昔、私が寄席に足を運ぶようになった頃(1959年・大学1年生)、ラジオ・テレビ等で講談を選んで聴くことはまずなかった(今でもそうだが)。
ところが寄席には必ず一人か二人は色物・講談が交じるので、その中でこの神田山陽だけは記憶に残っている。
というのも山陽にだけしか通用しない秀逸なギャグがあったからである。
山陽(枕で)「私なんぞが地方公演に行っても皆さんご存じない。『お前はなんだ?』『講談師です』『(好男子なんて)冗談言うな』『山陽です』『なんだ電気屋(サンヨー)か』」という前振りだった。
上の年表から見ると、当時50歳台だったことになるが、芸人の通例として未だ「若手」の位置づけ・雰囲気だったと記憶している。

上は山陽門下・神田紅のエッセイ・(本邦初)CD付講談教室テキスト本の表紙であり、左の山陽写真もその中からスキャンした。
左のとおり講談そのものは私の好みではないが、神田紅が私の中学・高校の後輩であり、彼女をダブルメインゲストの一人として招いて毎年福岡で開かれる催しに、 これも中学・高校来の親友(と自分で思っている)の誘いで出席するようになって以来、寄席知識として少しばかり講談界を登場させてみた。

神田 紅監修/夢野晴吉 著 「新門辰五郎」

「立川談志・日本の笑芸百選」  −2005年12月30日、NHK・BS、再放送番組−

談志が、落語をはじめとして演芸について語ったなかで、講談についての話の最後に(講談を落語と較べて)、
「レベルは向こう(講談)の方が上だ。なぜならば歴史を読むということにおいてね、ハイ。で上だけどもこっちの方にやっぱり人気が集まってきてしまった。だから古かろうがなんだろうが、上手いのがいれば聴かせることができるんじゃないのかということで(略:自分の講談持ちネタ云々を少しずつ聴かせて)、だから、オイ、今の講釈師なァ、でも何でもね、お前等もちゃんと勉強して、新劇崩れでやってんだろうから、さっき言ったように、名作だろうがドキュメントだろうがメルヘンだろうが、いろんなものを作って語ったらどう?。楽しい内容をいいリズムで聴かせれば素晴らしいものができると思うがなァ。」

↓ 西日本新聞 2004. 4.?

「宇宙戦艦ヤマト」には興味がなく、したがって麻上洋子も知らないし、ましてや講談に対しては上「神田山陽・紅」欄に記したとおりのスタンスなので、講談師「一龍斎春水」についても、 ひとかけらの知識もなかった。
ホームページ「春水の部屋」では、RealOne Playerで「宇宙戦艦ヤマト」の触りが聴けるようになっている。
聴いてみると驚く、なりたてとはいえこれで真打かと。
下のリンクから辿っても分かるとおり、今や講談師は女性が50%を占めようとしている。 女性に甘い昇進制度と言うとおこられるか。真打というのは、純粋に「芸の良し悪し」をのみ評価基準とされ、その他の「業績」等一切をその判定基準からは外すべきだと思うが。
これに付随して、「談志、落語協会脱退」の一端についてはこちら

苦心作!! 「現役講釈師名鑑」 /  神田紅 / 大江戸小粋組 / 春水の部屋

− 荒牧 千e Aramaki Kazuhide −
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