代演・ネタ帳について
寄席にもプログラムがあり、出演者が載っている。しかしすべてそのとおりの順序で全員が揃うということはまずない。 必ず一人や二人代演が出る。「いくらプログラムを見ても私は載っちゃいません。 ○○さんは、こっちより実入りが良いってんでそっちへ(結婚式の司会へなどと注釈を入れる演者もいる)行っちゃったんで、おめぇ替ってくれと言われて、でもあたしのほうがずぅっと面白いよ」とか、 そりゃあ確かに結婚式の司会のほうが金になるだろうと変に納得するような、真偽の定かでない言い訳とともにプログラムには載ってない噺家が出てくるのが、断りの言葉を含めて常識である。

また、プログラムには演題がない、つまり何を演るかは決まってない。というより決められない。
楽屋にはネタ帳があり、今日これまでに高座にかかった演題が記帳してあるのでそれを見てダブらないよう自分の持ちネタから演題を選ぶ。
更に、客の中にハンディキャップのある人がいれば、それに類する話はご法度となるので、前座が客席をウォッチし、これから出る師匠には「今日は足の悪い人が来ています、手の不自由な方がいます」と報せる。 これを受けて、ある日頭に包帯を巻いた客がいるのを見た前座「今日は頭の悪い人が来ています」。この前座があの談志だった、とまくらで真偽の分らないまま笑わせた噺家がいた。

5代目鈴々舎馬風の枕に「お陰様でこのところ落語界もこれといった問題もなく、特に談志がいなくなってからは、」とあるように、辛口トークの談志は、格好の標的となる。(ここでいう「いなくなってとは、落語協会を脱退して、の意味 - - 後年死去して本当にいなくなった)

(アイデア、つまりネタを書き付けておくメモ・帳面もネタ帳と言うのは良く知られているが、ここで言うネタ帳は、演題を書いた帳面のこと)


− 荒牧 千e Aramaki Kazuhide −
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