マラソン 東京五輪代表決定
 
既に日数を経(現在 2020.3.22)、エリートランナーだけに絞られた東京マラソンも無事、大方の予想通りの結果で終了した(更なる日本新まで予想した各位は少なかろうと思うが)。

毎日新聞紙上で上掲記事を目にした当初より、否定的なコメントを連ねる時期を様々なヤボ用で失し続け、後追いになってしまい甚だ残念の極みである。

というのも、現在の旭化成はマラソンMGC資格者ゼロ状態に甘んじたまま、駅伝にのみ注力し、企業の宣伝にこれ努めているだけのチーム状態であるいじょう、村山が42km余を走りきるとはテンから想像できなかったからである。

児玉、谷口が中国で世界に誇れる記録を連発した頃の旭化成・マラソンは既になく、森下の時代で終っている。

下に東京マラソン後の、村山とともに出走した同じ旭化成の所謂期待の星でありながら失速した大六野の記事があるが、末尾「旭化成勢はトラックレースでの五輪出場を目指すことになりそうだ。」は、おこがましいにも程がある。

5000、10000mのトラックはマラソン以上に世界・アフリカ勢との差が大きく、勝負にならないことは明々白々、火を見るより明らかだ。

続いては一週間遅れの、琵琶湖毎日マラソン“望外”の川内である。
これまた記事通り自ら期待を誘う?言葉が眼につくが結果は周知のとおりであり、下のコメントが発せられている。

yahooニュース  
最後に公務員ランナーからプロランナーに転向した川内の言葉を紹介したい。
「この状況で走れることに感謝したい。”ありがとうございます”の思いを込めた走りをしたい。僕も昨年まで10年間、高校の方で勤務していた。卒業式も迎えられないという人もいて凄く嫌な社会情勢だと思っている。そんな中できることは最後まであきらめない、1秒でも早くひとつでも上の順位でゴールする走りを見せること。陸上に限らず、今あらゆるスポーツにできることがある。(陸上をしている学生には)間違った情報や正しい情報が入り混じる中、自分で判断する力、考える力をこれをきっかけに身につけて欲しい。マイナスをプラスにできるような機会にしてもらえればいいなと思っている」

(レースを終えては)
https://blog.neet-shikakugets.com/biwako-mainichi-marathon-2016-results-02#toc11 本日のびわ湖毎日マラソンは2時間14分33秒で25位でした。 冷たい雨の得意なコンディションでしたが、結局いつもの「スピード不足」で結果に結びつけられませんでした。 大変な社会情勢の中、大会関係者の御尽力・対策によって走ることが出来たにも関わらず、申し訳ありませんでした。


公務員であろうが、プロであろうが記録の伸びは正直だ。川内のベストは日本人歴代33位!。中山竹通より1秒しか速くない。32位までにベストタイム時が32歳以上のランナーはいないことをみて、今後川内が自己記録を更新する見込みはゼロと考えざるを得ない。

ところで、
今回の琵琶湖毎日マラソン、最後の東京五輪選考レースであるにも拘らず、キロ3分、つまりフラットに走って、ゴールタイム2時間6分35秒でペースメイクされていた。 一週間前に行われた東京マラソン・大迫のタイムを大幅に上回ることになる。 これで代表枠を争う資格ある試合といえるだろうか?

もちろん東京M.出場選手に比して名前負けするランナーの顔ぶれとはいえ、また、ネガティブスプリットを刻む場合もあろうが、テンから日本記録を狙おうとする気構えが運営側にしてゼロであること露ではなかろうか。

また、配された日本人のペースメーカーのお粗末さは目を覆うばかり。 スタートから出遅れ、トップ集団に呑み込まれたあげく、先頭のアフリカ系?から譲られ促されてやっと所定の場所を確保する体たらく。明治・立命館の学生とやらでこののちもだらしなさは続く。

トラック直走路を走り終えて場外へ出る際、早くもアウトレーンに身体を寄せて出口への最短路を取ろうとしている数人に「どうして早くこっちへ来ないの?」とばかり目線を向けられてオドオドと内側レーンから走路変更。 一般道へ出ても一向にペースを上げず、最初の1キロが3分11秒、次の1キロも3分7秒、結局5キロ通過が15分21秒というスローペース。外国人はおろか、最盛期の川内さえもびっくり?

マラソンはキツイから走りたくないといっている新谷の大阪マラソンにおける素晴らしいペースメーカー振り(給水所前ではテーブルから逆側に大きくそれ、先頭集団を引っ張り続ける同P.M萩原を手招きで自分の傍へ寄せ、主役たちに気を使う)とは雲泥の差で、このマラソンへの期待度の低さが目立ったレースではあった。

如何にこのマラソンが軽んじられていたかを示すP.Mとともに、気象条件の不良、スタート時シチズンの失敗と数々の悪夢に祟られた最悪のレースであった。



東京五輪 マラソン
MGC
 一般に知らされた最初の新聞記事 −毎日新聞 2019.10.17−
上記の発表の後、東京から札幌への移動は周知のとおり(誰が考えても当然予想通り)“すんなり”と確定した。
ドーハの世界陸上同様の事態が選手はおろか観客の中にでも起ったら誰が責任を負うのか、と言われて手を挙げる勇気は誰も持ち合わせない。

https://news.biglobe.ne.jp/economy/1031/pre_191031_3952810424.html には、
マラソン札幌変更「NOと言えない日本」の悲しさ −10月31日(木)18時15分 プレジデント社−の記事もある。

ただしこの確定には次の4点が問題として「澱(おり)」のように後を引いた。
(1) IOCの横暴さ
(2) 東京2020組織委員会(というより森会長)、開催都市(というより小池現知事)の反目
(3) JOCの無能さ
(4) 都知事選を睨んだ小池現知事の醜いジェスチャー抵抗
※“現”と書いたのは、オリンピックが行われる8月にも知事で居られる保障はないからである。

しかし、上に“すんなり”と書いたのは11月1日の確定に到るストーリー、実は、モーニングショー(M.S)での玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)の発言「大原則として、東京か札幌かになると、札幌に決まっていますよ。
ただ、小池さんは政治家ですから。ここで東京と言っておかないと、来年7月の都知事選に影響します。最後まで抵抗しますが、それはポーズだと思います」ですべて言い表されている。

小池現知事が「スンナリときまったわけではないよ」と 皆に(特に都民に)思わせたいがために、すねた振り、不機嫌な振りを演出したのに“衣の下のナントカ”を隠し遂せなかった、正に猿芝居を演じただけだったわけである。

ところで、夏の東京でのマラソンを含めてオリンピック自体に当初から異を唱えているという 内田樹 の正論
https://dot.asahi.com/aera/2019102900011.html?page=1 もある。

これに鑑みると上の(1)〜(4)に現れていない最悪な事実が実は存在する。それは「東京2020オリンピック・パラリンピック立候補ファイル」なのである。
その中の一節に「この時期(7月24日〜8月9日)の天候は晴れる日が多く、かつ“温暖”であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる“理想的な気候”である」 と書かれているという。

1964年東京五輪招致に関して、5月、7〜8月、10月、三つの会期案から真っ先に7〜8月案が消えた理由が、7〜8月は“気温・湿度共に極めて高く、選手にとって最も条件が悪く不適当”という判定だったというにも拘らずにである。誰が今回このようなバカなことを書いたのか?

当時の東京招致委員会理事長はJOC会長竹田恆和、贈賄工作の嫌疑を受けて職を辞し、IOCバッハから指南を受けシンガポールのコンサルティング会社にロビー活動費として支払った金が、実は賄賂としてIOCの有力者に還流されたか否か、またそれが東京を開催地決定とするキーだったのかを闇に葬った人物である。

8月が温暖、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる、など “ウソ”を並べ立てていることについて、2016年東京五輪招致推進担当課長を務めた鈴木知幸は上に記したと同じM.Sで臆面もなく、「立候補ファイルの中身は選挙ですから、都合のよいことばかり書く。決まったらその方向へ改善していく」などと能天気なことをいい、6時スタートを5時スタートへなど醜い姑息な手段での東京固執を続けている。

最も悪いのはこのように最初に“ウソ”を並べ立てた招致委員会であるが、IOCもその片棒を担ぐくらい悪い。
そもそもIOCが求める五輪開催条件=7月15日〜8月31日の間、だそうだ。

最大スポンサーであるアメリカTVが、自国で9月第一週から始まるNFL、10月上旬からのMLBプレーオフ、10月中旬開幕のNBAとバッティングしないよう、上記期間を要求するというつまりは“金”のためである。
ただし、秋季を避ける理由は再三言われているが、春季を避ける理由は誰も明かさないがどうしてだろう。

沙鴎 一歩なるジャーナリストも、
https://news.biglobe.ne.jp/economy/1022/pre_191022_9606326760.html で散々、IOCのこの期におよんでの心変わりと強権をこき下ろしているが、勿論尤もな点多々あるなか、矢張り一番悪いのは プレゼンで“温暖”で“最適な気候”と「ウソ」を書いて、そもそも総意での立候補とはとてもいえなかった国民をたきつけて誘致に導いた招致委員会であることは動かしがたい事実である。

いっぽうこの強権に対し、これまでに成された諸設備・労力、その費用を背に英のEU離脱を真似た“合意なき決定”だと屈した小池現知事。
確定後IOCから「セレブレーションマラソン」が提案されたというが、“誰が走るのか?まともなやつは走りゃしない”が本音だろう。

小池現知事のこの抵抗は都知事選を睨んだジェスチャーに他ならないことは本稿上部(4)に記したとおりであるが、札幌に対する費用負担だけは流石にIOC側(ということは、組織委員会も含めてということになるが)も東京都に求めないという合意を得、一応の成果を喧伝するであろうことは目に見えている。

突然の翻意といえば、皆はもう忘れてしまったのだろうか、「小池現知事当選後、突然の豊洲移転延期(グダグダ引延し)」。豊洲塩漬け・税金の無駄遣い・築地業者への裏切り行為などなど。 それらのお返しが、ブーメランとなって(使い古された表現で恥じ入るが)自分の身に向って・・・。

とにかく、「悪いことは何とか隠し果せようという」日本人(私を含めて)の最も悪い性質(タチ)が露呈された今回の騒動であった。

 札幌移行確定後、本件を総括する“マトモ”な記事 −毎日新聞 2019.11.25−
この渡辺守成の言は、上段・私見コメント中にリンクを貼った内田樹の論と同様正に正論であり、私としてもまったく異論はない。
ただし、後段バッハ会長の「セレブレーションマラソン」提案に理解を示すというのにはまったく同意しない。
前段でも記しているように「誰が走るんだ、こんなもの」だ。

− 荒牧 千e Aramaki Kazuhide −
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