2013 大阪国際女子マラソン |
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福士 独走態勢から失速…日本人トップ2位も世界切符お預け
スポニチアネックス 1月27日(日)14時42分配信
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8月の陸上・世界選手権(モスクワ)代表選考会を兼ねた大阪国際女子マラソンは27日、長居陸上競技場発着コースで行われ、福士加代子(30=ワコール)は残り1キロでロンドン五輪5位のタチアナ・ガメラシュミルコ(29=ウクライナ)に抜かれ、日本人トップの2位だった。ガメラシュミルコが2時間23分58秒で優勝した。
終盤逆転されての2位に悔しそうな表情でゴールする福士
福士は11年10月のシカゴマラソンで記録した2時間24分38秒の自己ベストを更新する2時間24分21秒をマーク。しかし、2時間24分を切った日本人トップの選手に与えられる世界選手権代表切符の獲得はならなかった。
レースは3人のペースメーカーに引っ張られ、渋井陽子(33=三井住友海上)、福士、小崎まり(37=ノーリツ)、渡辺裕子(25=エディオン)、ガメラシュミルコの5人が先頭集団を形成。5キロ過ぎ、最初の給水ポイントで福士がボトルを取り損ねるミス。だが、これを見た渋井が自分のボトルを福士に手渡した。マラソンで初めての直接対決となった渋井と福士。序盤は“共闘態勢”でレースを進めた。
最初の動きがあったのは14キロ付近。5人の先頭集団から渡辺、ガメラシュミルコが遅れ始める。ガメラシュミルコは15キロの給水ミスでさらに遅れたが、再び渡辺と並走する形で先頭グループを追う。中間地点の速報通過タイムは福士、渋井、小崎の3人が1時間11分35秒。21キロ過ぎ、ガメラシュミルコ、渡辺が先頭集団に追いつき再び5人に。
26キロ過ぎ、渋井、渡辺が遅れ始め、じりじりと差が開いていく。先頭グループは福士、小崎、ガメラシュミルコの3人。そこから1人抜け出したのが福士。ペースメーカーをぴったり追走していくと、このペースに小崎、ガメラシュミルコはついていけない。30キロ通過時点の速報タイムは1時間41分45秒。福士は2位・小崎に14秒差をつけ、独走態勢に入った。
“一人旅”となった福士にとって、残るは自分との戦いとなった。弱点である後半の失速。この日も35キロ過ぎからペースは落ちた。2位に上がってきたガメラシュミルコに差を詰められていく。残り1キロ付近でガメラシュミルコが先頭に立ち、そのままゴール。福士は2位に終わった。渡辺が3位、4位に小崎が続き、渋井は8位に終わった。 |
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並んで競技場内を周回する福士(中央左)と渋井
目玉は福士と渋井だけ(それこそ“大”目玉という意見もあろうが)というエントリーを見て、率直なところ大きな期待感もなく、それでも中継を見た。
両者ともに(渋井はいっそう)今後の成長を考えても、まさかマラソンで世界に太刀打ちできると本音で言える専門家はいないとの確信からであるが、いくらロンドンマラソン5位と対等に戦ったとはいえ有力なアフリカ勢皆無のレースでこの結果は寂しすぎるし、無名の選手の台頭も見られずじまい(渡辺裕子という存在すら知らなかった新人が自己新で3位に入っていたが、いくらマラソンとはいえ151CMと沙羅(高梨)並みの体型ではいかにも線が細すぎると思うが)。
まあ端から、目標を入賞において5人もの選手を派遣しようなんてなんともバブリーなことである。 |
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ロンドン五輪マラソンの結果を見て有森裕子は、「惨敗した重友梨佐(天満屋)も含めて、3人とも悔しい思いをしている。そういう思いを抱いているうちは、希望がある。絶望的ではない。時間はかかるかもしれないが、世界を追いかけなければならない。とにかく、やるしかないんですよ。」 と言っている。が、今は有森の時代とはまったく違う。どこがといえば、アフリカ勢の底辺の広さ(もともと優れた身体能力を持ちながら様々な条件から当時と今とは門戸の広さが違う)。
日本人が“走る”という最もプリミティブな“競争”においてアフリカ勢に太刀打ちできると考えるほうがどうかしていると思うが。 |
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