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(上の文をテキストで)
この温泉がオープンしたのは今から約5年前。以来、宣伝をしたことがないという。
初日に来た客は2人、なんのことはない経営者の友人である。翌日も、たった1人。
これが純然たる第1号の客であった。
その1人の客から、口コミで噂が広まり、今では、山梨で人気の温泉の一つになったという。噂にたがわず、筆者が訪れた日、平日にもかかわらず、駐車場は車で埋まり客が途切れることはなかった。
何が人をそんなに引きつけるのか。そのわけは、露天風呂に入ってわかった。湯船から街とそれを囲む高峰の山々が一望のもとに見渡せるのだ。
それは、胸がスカッとする爽快な絶景だった。露天風呂はそんな風景を用意して客を迎えてくれる。やがて、夕暮れ。下界の街が光の海に変わり哀愁を帯びた景色が現出する。
昼と夜の二つの顔を持つ露天風呂。宣伝などなくても湯と景色が人を呼んでいた。
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