holmes magawa western 本態性振戦 中風 屋台紀文(1) 屋台紀文(2) 門司港駅 門司港地域 m・p
NHK・シネマ「ワイルドバンチ」を観る。

ワイルドバンチ(原題: The Wild Bunch)1969年製作

サム・ペキンパー監督による西部劇。時代の波に取り残された無法者たちの滅びの美学を描いた作品であり、西部劇に引導を渡した「最後の西部劇」と呼ばれている。ペキンパーの最高傑作として高く評価されている。

スローモーションによる強烈なバイオレンスをアーサー・ペン『俺たちに明日はない』に先を越されてしまった悔しさからか『ワイルドバンチ』の撮影現場で「俺たちで『俺たちに明日はない』を葬り去るってやる!!!」とペキンパーが何百もの弾着を仕掛けながらそう言っていたと衣装係のゴードン・ドーソンは回想している。
また『俺たちに明日はない』のラストのバイオレンスシーンもペキンパーと同じくアーサー・ペンが尊敬している黒澤の『七人の侍』と『椿三十郎』を手本にしたものである。

当初は『ワイルドバンチ』の主演はペキンパーの飲み友達であったリー・マーヴィンが予定されていた。

(以上全て・出典: Wikipedia)


上記梗概によれば〝最高傑作〟とされているらしいが、ペキンパーの信奉するバイオレンスシーンこそ、“西部劇に明日はない”だと思うが(個人的には、メキシコ人が絡む作品を西部劇とは認めない者としての偏見でもあるのだが)。

以前Wikipediaのこの項を読んでいた記憶もないが、初見の本編を見るまで主演はリー・マーヴィンだと思っていた(本来、バイオレンスといえばマーヴィンだろう(少しの“哀愁”を付加するためのホールデンなのか?その意味では成功?)。

本編・エンディング近く、メキシコ古謡でもあるかのように流れる、

“ サンタアマーリアに 若い娘が
ジャスミンのような 美しさ
つつましく 一人暮らし
裁縫仕事をして
だが悪い兄が ささやいた
いとしい妹よ 大好きだ
俺の妻に なってくれ
哀れな娘は 驚いて
声を震わせて 言った
私は いっそ死にたい ”(日本語テロップ)


これには大いに悩ませられるか所がある。 三行目「つつましく」は「つましく」がよくはないのかというわけである。前者は「高潔」、後者は「清貧」とも置き換えられようか?
原語が判らずなんともいえない。日本語としての流れは「つましく」が格段にいいのだが。

話は飛んで、『コンバット』日本語吹替版、無線連絡時の“呼称”・「チェックメイトキングトゥー、こちらホワイトロック(正しくはホワイトルーク:white rook)」のように英語の聞き取り違いによる単純なものでは済まされない、翻訳者の“語彙力”が試される問題である。


さらに、下はこれまた「ワイルドバンチ」同様、NHK・シネマで最近見た、'59年作・「ワーロック」の終盤近い一場面であり、保安官(sheriff)ヘンリー・フォンダとの対決を明日に控えた連邦保安官(marshal)(補)リチャード・ウィドマークが前夜愛人ドロシー・マローンを訪れた場面である。

※1)WEBでキャプチャしたのだが、後になって探すもURL不明で再アクセスできなくなっている(英語のテロップが表示されていて何れの国向け画像なのかも判らないが、左に立つ男の影がリチャード・ウィドマーク)。

因みに、H.Fは凄腕の早撃ちガンマンであり、R.Wはギャング団抜け人あがり、おまけにギャング団の仕返しで効きき手をテーブルにナイフで貼り付けられた傷の包帯も取れていないという(黒澤明側にパクリの賠償を払ったという「荒野の用心棒」イーストウッド然の)手負い、勝負は明らかなのである。

画面、ドロシーがウィドマークに訊いている「どうするの?」に続く科白“Your whole life in one night?”が問題だ。NHK放映では「今夜が人生最後の夜になる?」と精一杯の意訳であった。まさにウィドマークの身を言い表す渾身の和訳であったかもしれない。だがしかし、

記憶が正しければ、以前TVで観た「ワーロック」この場面の訳者は「一生を今夜一晩で過ごそうというの?」であったと思う。この後、一晩を一緒に過ごすことになる二人として考えてもこちらの科白に乾杯!(“君の瞳に乾杯!:カサブランカ)というところだろう。
(このままエキサイト翻訳にかけたら、「一晩で一生?」とでた、これはこれでオモシロイ。




嫌いな作もある “MY” 西部劇シネマ
ここで、筆者の印象に残っている西部劇と製作年次を挙げてみたのが下欄(実は、印象に〝残っていない〟モノもあるが)。
主演者 ランドルフ・スコット ゲイリー・クーパー ジョン・ウェイン アラン・ラッド グレゴリー・ペック カーク・ダグラス ウイリアム・ホールデン
生年月日 1898.01.23 1901.05.07 1907.05.26 1913.09.03 1916.04.05 1916.12.09 1918.04.17
没年月日 1987.03.02 1961.05.13 1979.06.11 1964.01.29 2003.06.12 2020.02.05 1981.11.12
没年齢 89 60 72 50 87 103 63
製作年次  
1929 ヴァージニアン  
1930  
1931  
1932  
1933  
1934  
1935  
1936 平原児  
1937  
1938  
1939 駅馬車  
1940 西部の男  
1941 市民ケーン※1  
1942  
1943  
1944  
1945  
1946 白昼の決闘  
1947  
1948 死闘の銀山 アパッチ砦・赤い河 ネブラスカ魂  
1949 黄色いリボン  
1950 拳銃(コルト)45 ダラス リオグランデの砦 拳銃王  
1951 烙印  
1952 真昼の決闘  
1953 ホンドー シェーン  
1954 ベラクルス  
1955 星のない男  
1956 捜索者  
1957 OK牧場の決闘  
1958 西部の人 大いなる西部 ※2  
1959 縛り首の木 リオ・ブラボー ガンヒルの決闘 騎兵隊
1960  
1961 ガン・ファイター  
1962 昼下りの決闘  
1963  
1964  
1965  
1966 エル・ドラド  
1967 戦う幌馬車 戦う幌馬車  
1968  
1969 勇気ある追跡 ワイルドバンチ
1970 リオ・ロボ  
1971 新・ガンヒルの決闘  
1972 11人のカウボーイ  
1973  
1974  
1975 オレゴン魂 明日なき追撃  
1976 ラスト・シューティスト  

幼少期(小学校高学年)、ランドルフ・スコットものはもっともっと随分観たはずだが、B級はそれなりに〝題名〟〝ストーリー〟ともに思い出せない(乗馬姿が美しいといわれ、ゲーリー・クーパーに南部訛りを指南したとのことだが)。

※1
上表中※1印は、西部劇ではないのでここに掛けるのは掟破りだが、意外な大作に出ていたようで(新聞記者とある)見直してみようと思った次第。なお、「ジャイアンツ」のジェット・リンク役のオファーを受けるも断り、ジェームス・ディーンがそれを演じたということである。

※2
おなじく※2印は、カーク・ダグラスの主演作ではないが、'57、'59年に挟まれて、スタージェス・決闘三部作中二作目の〝ゴーストタウンの決闘(ロバート・テイラー主演)〟が入ることを示す。

因みに、〝ゴーストタウンの決闘〟のあらすじは、http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=3420によると以下のとおり。

ニュー・メキシコ州のマーシャルをつとめるジェーク・ウェード(ロバート・ティラー)は町の人人から信頼されていた。美しい婚約者ペギー(パトリシア・オウエンス)と愛し合い、彼の保安官任官以来町は平和に栄え、総てはうまくいっていた。そのジェークがある夜町を秘かに 抜け出し、遠く離れた隣町に姿を現わし、牢を破って縛り首を宣告されていた男をさらい、町の男たちを倒して引き上げた。これにはわけがあった。彼はその男、クリント・ホルスター(リチャード・ウィドマーク)に借りを返したのだ。数年前クリントの強盗仲間だった彼は縛り首になるところを 救けてもらったことがあったのだ。義理を果たしたジェークはクリントと別れて1人遠い町に帰った。ところが翌日の夜、ジェークはクリント一味に襲われ、ペギーと共に町から秘かにつれ出された。銀行強盗を働いた頃、1人で大金を持って姿をくらましたジェークに、その隠し場所を吐かせよう とクリントは彼を狙っていたのである。ペギーをかかえて咄嗟に断崖に身を投じ逃亡を計ったがそれも失敗し、一行はコマンチ・インディアンの襲来で廃墟と化した集落についた。その墓地に金は埋めてあった。しかし一行はコマンチに狙われていた。夜に入ると襲撃 があり、必死の戦いの後、一味はクリントと、嘗てジェークの相棒だったオルテロ(ロバート・ミドルトン)を残して全滅した。縛られていたジェークもペギーの活躍で辛くも難をのがれた。執拗に迫るクリントの銃の前に、ジェークは金包みを掘った。その上には 拳銃が一緒に埋めてあった。一瞬立場は逆転した。ジェークは金とペギーを馬に乗せ、オルテロと共に町にたたせて後、拳銃を与えてクリントと正面から対決した。廃墟の中の息づまる撃ち合いの後、ジェークはクリントを倒した。銃声にもどってきたペギーとオルテロをつれて、彼は馬首を、平和に保安官としてくらせる町の方に向けた。

上記の筆者は、決闘三部作中でも本作が最高の編だとの弁だが、なんとしても主演がロバート・テイラーということで惹かれ方が逆方向へ行きそうだ。

上表中、ジョン・ウェインの’48・’49・’50年3作はジョン・フォード〝騎兵隊三部作〟であるが、J・Wは'48年、ハワード・ホークス監督の「赤い河」にも出演がある。



NHK・シネマ「星のない男」を観る。

星のない男(原題: Man Without a Star)1955年製作

監督はキング・ヴィダー。オードリー・ヘプバーン版「戦争と平和」の監督でもある。
「星のない男」に関しては大推奨作として、My Page中にも、映画実写観覧後の記憶として少々記述している。そこからリンクされている、
前歯の欠けたカーク・ダグラス(下)が、今回再観してここに引用している雑誌(“GUN”だったと思うが)が〝トンデモ〟間違いを掲載していることに気付かされた。



ご丁寧に、前歯の欠けたデンプシー(カーク・ダグラス)を描いているが、トリックシュート練習で、歯を欠いたのは死んだ弟だった科白に出会い、 --歯欠けのデンプシーは印象にないが--とずっと思ってた訳がわかった(それにしても“GUN”も思い切った間違いをしでかしているのに驚く)。

黄泉國へ旅立った後で良かったのかも。カーク・ダグラスはウクライナからの移民。



〝シェラマドレの決斗〟へはここをクリック


java script