性風俗業者はコロナ封じ込めの「劣等生」なのか
 
デリヘル経営者「性風俗は一つの仕事」 法廷で訴えた国の職業差別
毎日新聞 2021/4/15


性風俗業事業者への持続化給付金などの給付を求めた訴訟について、記者会見で説明する原告側弁護団=東京都千代田区で 2021年4月15日午後4時9分、藤沢美由紀撮影

「この職業は恥じるような職業ではないと気が付きました」――。持続化給付金の対象から外された性風俗業の経営者が「法の下の平等に反する」と国を訴えた訴訟の第1回口頭弁論が15日、東京地裁であった。法廷でこう訴えたのは、原告のデリヘル経営者の女性だ。コロナ禍で休業の要請に従い、懸命に店と従業員を守ってきた。一方、国は答弁書で「本質的に不健全な営業」とし、原告側の請求の棄却を求めた。【藤沢美由紀/デジタル報道センター】  

訴訟は2020年9月、関西地方で無店舗型性風俗店(デリバリーヘルス)を経営する30代の女性が、国を相手に損害賠償を求めて起こした。国は新型コロナウイルスの影響を受けた事業者への支援策として「持続化給付金」や、賃料負担を軽減する「家賃支援給付金」の制度を設けたが、性風俗業者については「国民の理解が得られにくい」などとして外したためだ。女性は15日、法廷に足を運び、意見を述べることができた。

同種のニュースが紙面を飾った(というか〝穢した〟)ことも別稿でも採りあげた。 LINK



性風俗「本質的に不健全」 給付金裁判で国が真っ向反論
朝日新聞社 2021/04/15


©朝日新聞社 東京地裁=東京都千代田区

性風俗業は新型コロナウイルス対策の救済対象になるかならないか――。感染拡大で影響を受けた事業者向けの給付金の「対象外」とされた性風俗業者が国などを訴えた裁判が15日、東京地裁で始まった。「社会の一員だと認めてほしい」と訴える原告側に、国側は「性風俗業は本質的に不健全。国民の理解が得られない」と真っ向から反論した。  

原告は、関西地方のデリバリーヘルス(無店舗の派遣型風俗店)運営会社。コロナ禍で休業したが、国は持続化給付金と家賃支援給付金の対象から性風俗業者を外した。原告は「法の下の平等」を保障した憲法に違反するとして、未払いの給付金や慰謝料など計約450万円を求めている。  

この日の第1回口頭弁論で国側は、1984年以降の国会答弁や判例をもとに「性風俗業は性を売り物とする本質的に不健全な営業で、社会一般の道徳観念にも反する」と主張した。災害時を含めて一貫して公的支援の対象ではなかった点も指摘した。  

そのうえでコロナ給付金は「国民経済の発展の観点から行われている経済対策」で、性風俗業への支給について「国民の理解を得ることは困難だ」と強調。「対象外としたのは合理的な根拠に基づく区別で差別とはいえない」とし、憲法違反ではないと反論した。



給付金除外のデリヘル 国「性風俗は不健全」 賠償請求棄却求める
毎日新聞 2021/04/15


©毎日新聞 提供 東京地裁および東京高裁が入る庁舎=東京都千代田区

新型コロナウイルスで売り上げが減少したのに、性風俗業者が持続化給付金を受給できないのは憲法が保障する「法の下の平等」に反するとして、関西地方の無店舗型性風俗店(デリバリーヘルス)の運営会社が国に計約450万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が15日、東京地裁(清水知恵子裁判長)であった。国側は「性を売り物とする性風俗業者は本質的に不健全。給付対象外としたことは差別ではない」と請求の棄却を求めた。  

訴状などによると、運営会社は緊急事態宣言の発令を受け、昨年4月半ばから5月上旬にかけて休業要請に従い、店を休業した。9月に持続化給付金と家賃支援給付金を申請したが、1カ月の売り上げが前年同月比で50%以上減少などの要件を満たしているのに、いずれも受給できなかった。  

同社側は「職業による差別に他ならない」と主張。これに対し国側は答弁書で「性風俗営業は社会一般の道徳観念に反するもので、国庫からの支出は国民の理解を得られない」と反論した。  

この日は運営会社の代表者の女性が意見陳述し、「性風俗業は合法に社会の中に存在するのに、社会の外の存在だという扱いを受け続けている。裁判所は国による職業差別を許さないでほしい」と訴えた。【遠藤浩二】



ナイトワーク従事者による給付金訴訟 「不健全」と言われた人々の嘆き
NEWSポストセブン 2021/04/25 -法の下の平等は確かめられるのか?-



自分が世の中から切り捨てられたと感じたとき、人はどんな気持ちになり、どうやって生き抜こうとするのか。ライターの森鷹久氏が、業種が「不健全」だと国に名指しされ持続化給付金の対象から外された衝撃と、嘆きつつもたくましく生きていこうとする当事者たちの声をレポートする。  

* * *  

新型コロナウイルスの感染防止対策で支払われる持続化給付金、家賃支援給付金の対象から外された問題で、関西地方の派遣型風俗店の運営会社が、憲法が保障する法の下の平等に反すると国を相手どり、未払いの給付金や慰謝料など計約450万円を求めて訴えている。その第一回目の口頭弁論が4月15日に東京地裁で行われた。そこで行われた国側の主張が大きな波紋を拡げている。大手紙司法担当記者が解説する。

「国側は性風俗業について『本質的に不健全』とした上で、支給の対象外とした判断は合理的、と主張したのです。国の反論はある程度予想できたことではありますが、不健全だと強い表現で言い切ったことには驚きました。業界に対して市民が持つイメージがあるのは理解できますが、ここまであからさまな主張が出たことに、業界からは強い反発が出ています」(司法担当記者)  

原告側は、2020年4~5月、緊急事態宣言に伴う休業要請に応じたにもかかわらず、持続化給付金と家賃支援給付金を受けられなかったのは、職業を理由とした不当な差別だと主張。それに対する国は答弁書で、今まで災害時も公的支援の対象外としてきたこと、過去の判例に従い本質的に不健全なので、給付金の対象外とするのは合理的な区別だと争う姿勢を示した。  

筆者はこれまで、複数の風俗事業者に取材をしてきたなかで、法律を遵守し、税金だって納めているのに給付金などを受け取ることができないのはおかしい、という声を聞いてきた。確かに、納税などの義務を果たしている事業者も、不真面目な者たちも「同じ不健全なもの」として判断されては、当事者は理不尽だと思うだろう。

「お金の問題ではなく、私たちの存在自体が否定される、人権の問題になってしまった」  

こう話すのは、都内の派遣型風俗店経営者・藤田勝さん(仮名・40代)。昨年4月の緊急事態宣言時、都の「休業要請対象業種」に自社が含まれている事を確認。感染拡大防止協力金が支払われるものだろうと思っていたのだが、その後、都は派遣型事業者には支払われないと説明を変えた。

「協力金だけでなく、持続化給付金もダメ。法律に従って届出も出しているし、税金も払っている。働いている女性も税金を支払い、確定申告も行っている。みなさんと同じように働いて、税金を納めているのに『不健全な業種だから』と言われて……。暴力団でもないし、人を騙しているわけでもない、法に触れる罪を犯しているわけでもないのに不健全と一方的に言われて、社会から追い出されようとしている。不埒な輩が多い業界だから不健全なのか、こういう商売が不健全だと言っているのかもわからない」(藤田さん)  

藤田さんがいう「協力金(感染拡大防止協力金)」と、持続化給付金は別である。前者は緊急事態宣言下の休業、時短営業について地方自治体から支払われる協力金であり、後者は国が支給する「事業の継続を支え、再起の糧として、事業全般に広く使える給付金」である。藤田さんは、いずれも受け取ることが出来ていない。裁判で争われているのはこのうち、国が支給する持続化給付金についてである。  

そこでの国の主張は、その業界で働く人たちにとって残酷な内容だった。感染拡大防止のために仕事をするな、でも金は払わないし事業が継続される必要もない、と宣告されたと受け取らざるをえず、暗い気持ちにさせられたという。

「国民全員に配られた一律の給付金は受け取りましたが、それ以外については、私は何ももらえていない。申請以前に、どこに問い合わせをしても門前払い。窓口の担当者に接客業と言うと、どんな接客かと詳しく聞かれ、性風俗というと『あー』と鼻で笑われたこともある。子供も育てていて、懸命に働いています。税金も払っています。なのになぜ……」  

埼玉県内在住の性風俗店従業員・持田真由美さん(仮名・20代)は、冒頭の「国の主張」をネットニュースで見て絶句した。元々、人材派遣会社に登録し工場で働いていたが、身篭ったことで就業が困難になった。派遣社員に産休はない、と会社に言われたためだ。子供の父親は妊娠がわかった直後に連絡が取れなくなったが、産まれてくる子供に罪はないと思い、出産を決意した。頼れる親族も近くにおらず、食べるため、子供の生活のために始めたのが風俗店での仕事だった。

「お店で働く人のほとんどが、さまざまな事情からやむを得なく働いている状況。ひとり親や困窮家庭を支援する策がないからです。それなのに不健全と言い切るなんて、人間として認められていないとしか感じません」(持田さん)  

働くために子供を預ける場所を探していた持田さんの場合、公立の保育園や幼稚園の抽選にも漏れ、保育料が高い民間の認可外保育施設を利用せざるを得ず、それに見合った収入が必要になった。ところが、事務職など一般的な昼の仕事では子育てしながらでは給与が低く抑えられてしまう。それでは最低限度の生活ができる見込みも立たないため、比較的高給な業界を選ばざるを得なかった。  

正直なところ、給付してもらえるなら欲しいと今も思っている。だが、その願いを自分で訴える余力はない。目の前の生活で精一杯なのだ。

「今回の訴えのように、風俗業従事者で必死に声をあげる人たちは少ない。もう諦めたという事でしょう。私にできることは、今も働いてお金を稼ぎ、子供を育てること。感染に怯える前に、今日を生き抜くしかありません」(持田さん)  

大きな目標で言えば、給付金は「感染拡大防止」と「終息」を目指すための政策だというならば、業種にかかわらず広く支給されるものだと思っていたし、期待もしていた。そのぶん落胆させられたが、子供を育てるためには嘆きも怯えも振り払い、働くしかない。  

新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい続けるなか、もともと大きな資産を持つ人はさらに豊かになり、コツコツと労働を積み重ねることで暮らしてきた人たちが苦境に追い込まれている。目の前の生活のために必死で働く人を助ける仕組みが作られることに、反対する人はいないだろう。しかし、現実は性善説通りにいかないのか。


正直、法律について詳しくはないが、1958年4月1日から売春が禁じられたことは知っている。また、様々な隠れ蓑のもと現在も行われていることも知っている。
上で主として取り上げられている〝派遣型風俗店〟所謂デリヘル(デリバリーヘルス)は現在その主流とも云うべきものであろう。

派遣者側は云わば客の注文に応じて派遣してしまえばそれでお終い、被派遣人は客と“自由恋愛”、しかし金は派遣者にも還流しているわけである。結婚相談所が有料で営業しているのと変わらないと装ってでもいるのか。

売春を知りながら法の眼を逃れて悪事を隠蔽しながら、給付金対象から外されると法に訴えるとは当に〝盗人猛々しい〟としか言いようがない。不給付に加え、原告側が行っている売春の実態を徹底的に暴きだし罰を与えるのが相当だ。

飛田新地に手を入れられない政府がやるわけないが。

週刊文春で紹介された飛田新地は LINK



 流石に〝飛田新地〟には手を出せなかった行政も、弱い者苛めよろしく格下の〝かんなみ新地〟に手を着けた。⇒ NEWSページへ


- 荒牧 千琇 Aramaki Kazuhide -
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